エンジニアブログ Cisco SD-WANとViptelaの違い

2021年8月16日にCisco SD-WANの新OSである17.6.1、20.6.1がリリースされました。
17.6.1は最近リリースされたCatalyst8200を含むCatalyst 8000シリーズを網羅する 初のLTS バージョンとなる為、 本OSで本格的な商用導入が増えてくると考えております。
17.6.1はIOS-XE、20.6.1はViptela OSとリリーストレインが異なります。
今回はこのCisco SD-WAN(IOS-XE)とViptela(Viptela OS)の違いについて説明いたします。

1. OSの違いについて ~IOS-XEとViptela OS~

IOS-XEはViptela社を買収し、17.2.1からSD-WAN機能を統合した新たなIOS-XEとして現在リリースされております。
このOSで動作するSD-WANルーターを通称cEdgeと呼びます。

Viptela OSはViptela社時代からリリースされているOSです。
このOSで動作するSD-WANルーターを通称vEdgeと呼びます。

それぞれのOSの主要ラインナップは下記のとおりです。

2. Cisco SD-WANのコンポーネントの違いについて

Cisco SD-WANは下記コンポーネントで構成されております。Viptela OSとIOS-XEで異なる点はSD-WANルーターのみとなり、他のコンポーネントは同一となります。

  • SD-WANコントローラ群
    - vManage
    - vSmart
    - vBond
  • SD-WANルーター
    - vEdge or cEdge

3. セグメンテーション機能の要となるルーティングドメインの名称の違いについて

SD-WANルーターは、セグメンテーション機能を実現するためにTransportとService、Managementで独立したルーティングドメインを保有しております。

このルーティングドメインの役割は、Viptela OSとIOS-XEで共通ですが名称が違います。IOS-XEはVRFと呼びますが、Viptela OSはVPNと呼びます。

----- 各ルーティングドメインの役割 -----

cisco_sdwan_03.png

・Transport
  ->コントローラとのコントロールプレーン(TLS/DTLS)の構成
  ->WAN Edge同士のデータプレーン(IPsec)の構成
  ->Local Exit時のNAT処理
  ->手動設定によるGRE/IKE・IPsec
    (例:クラウドセキュリティとの接続)
・Service
  ->伝搬されたトラフィックの同一VPN内ルーティング
  ->自VPN内に経路がない場合は、コントローラより
    学習した経路を元に、データプレーン(IPsec)で
    該当の拠点へ伝搬
・Management
  ->自宛、自発パケットの処理のみ
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4. 機能Tier比較

Viptela OSはシンプルにSD-WAN機能を十分に備えております。IOS-XEはSD-WAN機能に加え、IPS/IDS、URL FilteringなどのUTM機能を備えております。

機能の利用可能範囲はライセンスTierごとに異なります。詳細は下記をご確認ください。

SD-WANルーターでセキュリティ機能を実装せずとも、Cisco Umbrellaなどのクラウドセキュリティにオフロードすることも可能ですので、 お悩みの際は日商エレクトロニクスにお問い合わせください。

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