エンジニアブログ Citrix ADCの歴史

仮想化ソフトウェアで定評のあるCitrix社ですが、実はネットワーク製品であるCitrix ADCと呼ばれるラインナップを持っております。
今では、多くのユーザー様にロードバランサなどの用途で利用されているCitrix ADCについて、今回は歴史を振り返って見たいと思います。

加藤 和樹

大規模エンタープライズのお客様へSD-WANの提案や導入を担当後、現在はデータセンターネットワーク製品のプリセールスに従事。

1. Citrix ADC(Netscaler)の誕生

今回は、私が担当しているCitrix ADCの歴史をさかのぼってみたいと思います。

さかのぼること今から24年前、
1997年にCitrix ADCの前身であるNetscalerの開発を目的とした、Netscaler社がMichel Susai氏によって設立されました。

1990年代後半は、DNSラウンドロビンからロードバランサへのアーキテクチャ変更が始まり、ロードバランサ開発が激化した時代でもありました。
そのような厳しい時代でも、Netscalerは初期から大手の事業者に採用され、市場でのリーダーの位置を確立しました。
2005年6月2日には、Citrix社により3億2500万ドルで買収が発表されました。

2. Citrix ADC(Netscaler)の歩み

Citrix社に買収された翌々年からもトレンドに沿った新しい製品を世の中にリリースしております。

Citrix Netscaler MPX

2007年にリリースした「Citrix Netscaler MPX」は、Intel製の汎用CPUを使用し、
従来は専用ASICが当たり前だった業界に新しい風を取り入れました。

Citrix Netscaler VPX

2009年には、「Citrix Netscaler VPX」と呼ばれる、今では一般的なバーチャルアプライアンスを、業界で先駆けてリリースしました。

Citrix Netscaler SDX

2011年には、サービス提供が容易に可能なマルチテナントアプライアンスである「Citrix Netscaler SDX」も業界で初めて市場送り出しました。
これができたのは、Citrix社のXen Server(現Citrix Hypervisor)の技術があったからです。

Citrix Netscaler CPX

2016年には、コンテナ型の「Citrix Netscaler CPX」も業界で先駆けてリリースしたのもCitrix社です。

Citrix ADC BLX

そして、汎用サーバー(Linux)上に直接デプロイできる「Citrix ADC BLX」を2019年にリリースしました。
仮想製品では問題となっていたオーバーヘッドを解消し、HW自体のパフォーマンスを最大限活かすことができます。

3. 終わりに

このように、Citrixは常に新しいアーキテクチャを取り入れていくことにより、国内外問わず大規模なユーザー様にご採用いただいております。

製品のリリースマップを見ていく中で、2019年の「Citrix ADC BLX」から「Netscaler」の名前が消えていることに気づいた方もいるのではないでしょうか。
従来は、Netscaler社の名前をとって「Citrix Netscaler」というブランドで業界をリードしてきましたが、2018年に、Citrix NetscalerからCitrix ADCへリブランディングが行われました。
なので、今ではすべての製品ラインナップが「Citrix ADC」ブランドになっています。

旧名称 新名称
Citrix Netscaler MPX Citrix ADC MPX
Citrix Netscaler VPX Citrix ADC VPX
Citrix Netscaler SDX Citrix ADC SDX
Citrix Netscaler CPX Citrix ADC CPX

上記の経緯からドキュメントを読んでいくと「Citrix Netscaler」という単語を見かけることもあるかと思いますが、Citrix ADCだと思っていただいて問題ございません。

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