ネットワークチームで取り組む顧客満足度の向上​

新しい働き方が進む中、通信品質の向上がISPに求められるようになっていきます。
顧客満足度の向上への取り組みはもはや企画部門だけの取り組みではなく、ネットワークエンジニアにも求められます。
本ページではネットワークの視点で顧客満足度向上にどう貢献ができるかを紹介します。
顧客満足度を高めないと何が起こるか?​

顧客満足度を高めないと何が起こるか?​

NPO法人 顧客ロイヤリティ協会は「グッドマンの法則」という考え方を公開しています。その中では、「96%の顧客が苦情を申し立てずにサービスを買い替えている」という厳しい現実が言及されています。​

ISPに置き換えると、顧客が重要視する回線品質に対して十分な結果を示せなかった場合、サービスを乗り換えられてしまうリスクがあります。​
サービスが乗り換えられてしまうと、自社の売り上げにも影響します。従来、さまざまな付加価値をつけることでお客様を継続的につなぎとめる努力をISP各社実行してきましたが、いま新型コロナによるパンデミックに起因する働き方の変化で求められる「回線品質の向上」に取り組むことが最重要課題になりつつあります。​

回線品質を向上させる取り組み

回線品質を高める方法は、通常の状態で遅延がどれくらい発生しているのかを把握し、通常状態と乖離があった場合にいち早く検知しなければなりません。「通常状態とどれくらい乖離をしたら」をKPI(Key Performance Indicator)をとして数値を定義し、監視することがおすすめです。​

遅延の発生状況をより詳しく把握するためにもゼロウインドウ、リセット、再送などの発生状況を把握しておくと遅延の原因追及にも役立ちます。さらに、それぞれにKPIを設定(例えば、再送率を4%以内にする)して、達成できるような個別の取り組みを行っていくことで回線品質を担保することができます。​

可視化の製品はさまざまありますが、回線品質向上を行う場合、キャプチャの取得が最も効率的です。​

DNSやDHCPのみのキャプチャ

DNSやDHCPのみのキャプチャ

キャプチャ製品のデメリットは、キャプチャポイントが多くなった場合、コストがかさんでしまうことです。​

その場合、キャプチャポイントの優先順位をつけることが重要です。​​

​ 優先順位付けの議論の中で、DNSやDHCPといった基幹システムを優先的に監視対象とするケースが多いです。これらのサービスが停止をした場合の影響は計り知れないためです。​​

​「トランザクション量」、「応答時間」、「エラー数」を監視するのがよくあるケースです。