2022年1月18日

【ブログ】先が読めない時代、ITインフラの
ロードマップを策定する時のポイントとは?

こんにちは。日商エレクトロニクス、HPE製品担当の上條です。
社会の変化が激しい昨今、既存のITインフラでは限界を感じるものの、今後どのようなITインフラが必要なのかを考えることは難しい問題かもしれません。 今回は、IT戦略策定に関与する事業部アーキテクト、IT 部門長の方などに向け、未来に向けたITインフラのロードマップを作成する際のポイントをご紹介します。 

【その1】"理想像"から逆算して中間地点を考える

社会や環境がめまぐるしく変化する中、企業は変化に即応するためのスピードが必要になりました。ITインフラもまた、ビジネスや新たな働き方に対応するために、すばやく柔軟に変化に対応することが求められるようになりました。
先が読めない時代の中、企業は様々な変化に対応できるITインフラを模索していかなければなりませんが、理想的なITインフラ環境を実現するためにも、現在地点からスタートするITインフラのロードマップを策定することが必要です。企業によって異なりますが、まずは現在地点とあるべき理想的なITインフラ像を考えることからスタートします。
例えば、あるべきITインフラ像は、全社統合的なITインフラ環境が整っていること、業務に適したITを柔軟に活用できること、システムを資産として所有せずサービスとして利用することなどが考えられます。 現在地点(現状)は、オンプレミス中心、システムが全社で統合されていない、ITインフラをIT資産として所有しているため、リプレイスのたびに多額の投資が発生する...などが例として挙げられます。
次に、現状と理想像のギャップを埋めるための「中間地点」を考える必要があります。中間地点は、次の投資対象となる部分でもありますので、具体的に考える必要があります。次項で詳しく見ていきましょう。

【その2】中間地点の詳細を考える

現在地点から次の一歩であり、ゴールにつながる「中間地点」を検討するためは、まずは「現状」の課題を分解・整理することから始めます。課題を整理する時のポイントをまとめると、次のようになります。

  • 「 システム」と「ファイナンス」の観点で切り分けて考える。
  • IT戦略、IT投資に関与する経営層、LOB(事業部門)、情シスそれぞれの観点をまとめる。
  • システム分断化しているかどうか。分断化しているならば、解消するためのプロジェクトを発足する。

こうして現状の課題を整理したら中間地点を考えます。もちろん、中間地点ではすべての課題が解決できるわけではないので、優先度の高い項目、効果が得やすい項目から設定していくことになるでしょう。
例えばシステム面では、将来的にはパブリッククラウド化を進めたいものの、オンプレミスに残さざるを得ないシステムがあるかもしれません。 ファイナンス面では、これまで所有していたIT資産をサービス利用に転換することは目指したいものです。すべてクラウド化することはできなくても、オンプレミスの従量課金サービス(※)ならば、オンプレミスのシステムをサービス利用できるようになります。

※オンプレミスでの従量課金サービス:サーバ、ストレージなどのハードウェアをオンプレミス環境で利用することができ、利用した分だけ課金されるサービス。イニシャルコスト削減、ビジネスの変化に即応できるといったメリットがある。

【その3】中間地点のITインフラを選定・構築する

また、中間地点のITインフラを選定することも必要です。将来的には、多くのシステムをパブリッククラウド化したいという場合でも、中間地点では様々な理由からオンプレミスを選ばざるを得ないケースがあります。特に、低遅延が求められるシステムやローカルで大容量データが発生するシステムでは、現時点ではオンプレミスの方が適していることでしょう。
こうした判断を下すためにも、下表などを参照しパブリッククラウドとオンプレミスのメリットとデメリットをよく見極めて、自社にとってメリットが大きいITインフラを選ぶことがおすすめです。中間地点としては、オンプレミスとパブリッククラウドが混在する、過渡期的なハイブリッドクラウドとなるかもしれません。しかし、先にも述べたように、まずはオンプレミスの従量課金サービスを選ぶなど、ファイナンス面を従量課金化するという方法も効果的でしょう。
このように、パブリッククラウドとオンプレミスのそれぞれ適材適所で活用することで、理想的なITインフラの構築につなげてみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は、IT戦略策定に関与する事業部アーキテクト、IT 部門長の方などに向け、ITインフラのロードマップを作成する際のポイントを紹介しました。本ブログで取り上げた内容はほんの一部で、より詳しい内容については、ぜひ、下記の資料をダウンロードしてご一読ください。
日商エレクトロニクスでは今後も、事業部アーキテクト向けに最適なITインフラ構築とIT 投資に関する情報を提供します。ぜひ最新情報をご確認ください。

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上條 優子

上條 優子
日商エレクトロニクス株式会社
プラットフォーム本部 第二プラットフォーム部 HPE GreenLake推進課
HPE製品 マーケティング担当