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配送DX インタビュー

強さの秘密 日商エレクトロニクス Vol.11

物流・配送業務の世界でDXを実現 アセットマネジメントサービスを新展開 DX第一事業本部 副本部長 細井 達夫 DX第一事業本部 第一事業部 一課 課長補佐 菊池 聡 DX第一事業本部 第一事業部 部長 池上 啓司 DX第一事業本部 第一事業部 三課 主任 管野 智祥 物流・配送業務の世界でDXを実現 日商エレクトロニクス株式会社 DX第一事業本部 副本部長 細井 達夫 第一事業部 一課 課長補佐 菊池 聡 第一事業部 部長 池上 啓司

コロナ禍を機に多くの企業がDXへの取り組みを加速させているが、業務現場からの支持と共感を得ずしてその実現はありえない。日商エレクトロニクスが新たに提供を開始したアセットマネジメントサービスは、物流・配送業務におけるドライバーやトラックをはじめとするアセット(資産)の稼働を平準化した最適な配送計画を策定することで、経営改善や収益向上を下支えするサービスだ。

物流・配送分野における無駄や非効率を解消

さまざまな商品やサービスを、顧客や消費者のもとへ届ける物流・配送業務。ビジネスや生活を支える社会に不可欠のインフラだが、その現場は慢性的な人手不足が続き、働き方改革はあまり進んでいない。また、燃料費の高騰により利益率がどんどん低下していくなど、多くの課題を抱えている。日商エレクトロニクスが、そこに向けた新たな注力ソリューションとして提供を開始したのが「アセットマネジメントサービス」である。

一例としてLPガスの配送業務を見てみよう。LPガスはボンベの残量が空になる前に利用者宅を訪問して交換しなければならないため、「いつ、どのドライバーを、どのトラックで、どのようなルートで利用者宅に向かわせればよいのか」という毎日の配送計画が必要になる。ところがこうした配送計画は多くの場合、過去の経験と勘に頼っているのが実情だ。結果として、LPガスの残量はまだ十分にあり訪問するのは数日先でもよかったはずの利用者宅を今日の配送ルートに無理して組み込んでしまったり、一部のドライバーに負荷が集中したりといった、さまざまな業務の無駄や非効率、不均衡が生じている。

そうした物流・配送業務の世界でDXを実現するべくチャレンジしているのが、アセットマネジメントサービスだ。DX第一事業本部 第一事業部 部長の池上啓司は、次のように語る。

「日商エレクトロニクスがこれまで培ってきたAIやIoTなどの技術を活用しつつ、単なるデータの見える化や分析だけで終わるのではなく、しっかり経営改善や収益向上に結びついていく価値を提供することを目指します」

さらに、多くの事業者ではエリアごとに担当ドライバーが固定化され、属人化しているケースが少なくない。これが物流・配送業務に非効率をもたらしている一因でもある。

「私たちが提供するアセットマネジメントサービスは、予定していたドライバーが仮に急病で休んだ場合でも代わりのドライバーをすぐに手配し、なおかつそのドライバーが初めて訪れるエリアでもスムーズに回れるようにすることで、さまざまなアセットの稼働を平準化した最適な配送計画を策定します」と、DX第一事業本部 副本部長の細井達夫は説明する。


実用サービスの観点からメリハリをつけてデータと技術を活用

前述したような「いつ、どのドライバーを、どのトラックで、どのようなルートで向かわせるのか」といった配送計画を立てるためには、さまざまな条件を加味しなければならない。ドライバーの勤務体系や労働条件、スキル(経験年数、体力、運転技術など)、トラックの積載可能重量や稼働状況、配送地域や時間帯、届け先特有の要件(駐車場までの距離や空き状況、道路の幅員など)、交通状況、気象状況などだ。制約条件の組み合わせは指数関数的に増大していく。特にLPガスのような配送業務では、利用者ごとの最適な訪問のタイミングを導き出すための需要予測まで必要となる。

日商エレの最適配車計画のイメージ

これらのすべての要素をまともに取り込んで、なおかつ実務に耐えるスピードで最適解を計算するには実業務の理解に加え、膨大なコンピューティングパワーが必要となる。世の中には物流最適化をうたうさまざまなソリューションが登場しているが、そのほとんどが実態をよく見てみると単なる配送ルート(いわゆる道順)の最適化にとどまっているのは、そうしたところに理由がある。

日商エレクトロニクスのアセットマネジメントサービスは、こうした既存のソリューションとは一線を画したアプローチをとっている。

「目的はあくまでもお客様の課題解決にあります。従ってコンピューターサイエンスのアカデミック的な考え方に基づいた手法を無理に追求するのではなく、実用サービスの観点からメリハリをつけて不必要な計算をそぎ落とし、技術的なハードルを乗り越えてきたことが、私たちの提供するアセットマネジメントサービスの最大のポイントです」と池上は訴求する。

例えばLPガスの需要予測を行う際に、すでにボンベに取り付けられているセンサーから残量などのデータを取得できればそれを利用するが、わざわざ新たにセンサーを取り付けなくても対応できる。

「センサーからデータを得られないのであれば、過去のボンベの交換実績や補填量などのデータを基に機械学習を行い、需要予測のモデルを作成します」と、DX第一事業本部 第一事業部 一課 課長補佐の菊池聡は話す。

事業者ごと、あるいは配送先ごとに得られるデータや適用可能な技術を臨機応変に活用するわけだ。


現場にとって便利で使いやすく共感を得るサービスでなければ長続きしない

現在注力しているのが、物流・配送業務にあたるドライバーが利用するモバイルアプリの開発である。

DX第一事業本部 第一事業部 三課 主任の管野智祥は、「ドライバーが初めて訪れたエリアでも迷わないように、次の行き先やルートをナビゲーションします。さらに、『この配送先には猛犬がいる』『こちらの門から入る』『駐車するスペースはここを利用する』といった特記情報も画像付きで表示します」とその概要を説明する。

モバイルアプリイメージ
DX第一事業本部 管野智祥

実務で役立つアセットマネジメントサービスを実現していく上では、いくら経営者や経営企画部門などから高い評価を得たとしても、それだけでは通用しない。

「実際に物流・配送業務を担っているドライバーにとって便利で使いやすく、共感を得るサービスでなければ長続きしません」と細井は強調する。

そこでこのモバイルアプリを実現するため、開発メンバーはアセットマネジメントサービスの第1号ユーザーとなったあるLPガス事業者の配送現場で働くドライバーへのヒアリングとプロトタイプの提示を重ね、何度も “ダメ出し” を受けながら改善を進めてきた。この結果としてドライバーはこのモバイルアプリを受け入れ、先に菅野が述べたような特記情報も積極的に登録してくれるようになった。

2020年4月よりユーザー企業の実業務で運用を開始したアセットマネジメントサービスには、現在多方面から関心が寄せられている。もちろんLPガス事業者だけではない。

「寒冷地に多いホームタンクへの灯油の補充、自動販売機への商品の補充、あるいは廃油の回収など、定期的なルート配送を手掛ける幅広い業種・業態でアセットマネジメントサービスは活用できます」と池上は力を込める。

また多くの事業者は近年、各地に分散していた物流・配送拠点の集約・統合を進めている傾向にある。

「そうした新たな拠点内における業務承継や、ドライバーを含めたリソースの再配置をスムーズに進めていくためのしくみとしても、アセットマネジメントサービスは役立ちます」と菊池は語る。

このように多様なニーズに応えつつ、日商エレクトロニクスではアセットマネジメントサービスのさらなる拡販を進めていく。

AIによる最適配車計画(VRPの解決)と残量予測により、LPガス・灯油・自動販売機補充など定期配送を行う事業者様向けに、いままでの配送効率化システムで実現できなかった効率化を提供します。

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