Innovation Leading Company

RPA Interview

強さの秘密 日商エレクトロニクス Vol.9

RPAやデジタルレイバーの人材育成から手掛け地域のお客様の課題解決に貢献する DX第二事業本部 地域デジタルレイバー推進室 上松 啓 DX第二事業本部九州・中国営業部 九州営業課 課長 木村 悦治 RPAやデジタルレイバーの人材育成から手掛け地域のお客様の課題解決に貢献する DX第二事業本部 地域デジタルレイバー推進室 上松 啓 DX第二事業本部九州・中国営業部 九州営業課 課長 木村 悦治

あらゆる業界で深刻な問題となっている労働力不足は、首都圏以外でより顕著に現れており、そこにRPAやデジタルレイバーに対する潜在的なニーズが存在している。この課題をとらえて始動したのがDX第二事業本部であり、日商エレクトロニクスが長年にわたって築いてきた「地域の信頼」をベースに、人材育成から手掛ける。その最前線に立つ福岡と大阪の取り組みを紹介する。

デジタルレイバー導入の壁は人材不足

歯止めのかからない少子高齢化の進展により、日本の生産年齢人口は今後も大きく減り続けると予想されている。すでにその影響はあらゆる業界において深刻な労働力不足として現れている。ならば、この状況をどうやって打破するかというと、従業員一人ひとりの生産性を高めていくしかない。その鍵を握るのはITの活用であり、中でも大きな関心と期待を集めているのが、RPAに代表される「デジタルレイバー」だ。これまで手作業で長時間かけて行ってきたルーティンワークをソフトウエアロボット(デジタルレイバー)に任せることで、人間はより付加価値の高い仕事に専念できるようになる。実際、年間数千時間から1万時間以上の労働時間を削減した製造業やメガバンクなどの成功事例がある。

ただ、東京を中心とした首都圏以外の地域に目を向けてみると、かなり違った様子が見えてくる。

九州営業課 課長の木村悦治は、「労働力不足の深刻さは首都圏以上です。スタートアップ企業が集まる福岡は、海外メディアでは日本のシリコンバレーとも言われており、RPAをはじめ新しいITの導入には積極的な企業が多いです。とはいえ問題は、RPA、デジタルレイバーを導入しようにも、それを主導する社内のIT人材やITベンダーの労働力が不足していることです」と明かす。

東京に次ぐ経済圏を有する大阪も似たような状況だ。

地域デジタルレイバー推進室の上松啓は「大阪でのRPA、デジタルレイバーの導入状況は、まだ業務選定でとどまっている企業も多いのが現状です。その意味では、大阪もまだまだこれからです」と話す。

こうした課題をとらえ、2019年10月の組織再編で地域事業本部とデジタルレイバー推進部が統合して誕生したのが、木村と上松が所属するDX第二事業本部だ。


ただソフトウエアロボットを作れるだけではダメ

先にも述べたとおり、デジタルレイバーに対する潜在的なニーズは、労働力不足が顕著な地域のほうがより大きい。加えて日商エレクトロニクスには、50年の長きにわたりそれぞれの地域に根付いてお客様との間に築いてきた「信頼」という貴重な資産がある。この「デジタルレイバー×地域の信頼」をベースに、お客様と一緒に汗をかきながら、デジタルレイバーの導入支援をしていくことが、DX第二事業本部のミッションだ。その大きな柱の一つが、IT人材を自ら育成して市場に供給していくことだ。もっとも、初めから思惑どおりに事が進んだわけではない。

「実は話を聞いた当初、単にソフトウエアロボットを作れる人を育成すればいいのだろうと甘く考えていました。しかし、現実はまったく違いました」と木村は振り返る。

ソフトウエアロボットを作れる人をどれだけ増やしたとしても、業務現場の要件をしっかり聞いて取りまとめ、設計し、運用やメンテナンスを行える人材がいないことには、デジタルレイバーの活用は進まない。

「そうした一段高いレベルのスキルをもった人材を育成しなければ、お客様に貢献できないことに気づきました」(木村)

DX第二事業本部が正式に立ち上がる前の2019年8月から九州営業課が福岡市で開始したのが、「デジタルレイバーアカデミー」と呼ぶ技術者育成講座である。2018年12月から東京都内で先行実施してきたもので、社内にRPA、デジタルレイバー技術者を育成したいと考える企業から受講者を受け入れる他、グループ会社のエヌビーアイと共同で、IT業界にチャレンジしたいという意欲をもつ個人の求職者も受け入れる。ここで育成した技術者をお客様に派遣するのである。

デジタルレイバーアカデミー(福岡)

同様の教育サービスは他のRPAベンダーにも見られるが、日商エレクトロニクスは海外から最新の技術・製品を発掘し、日本国内に導入してきたIT商社としての実績と経験がある。デジタルレイバー分野でもすでにRPAの「Blue Prism」や「UI-Path」、AI-OCRの「ABBYY」といった主要グローバルベンダーとパートナーシップ契約を結んでおり、これらベンダーが有する最先端のノウハウを提供することができる。これに地域密着の人材派遣、経験に裏付けられた実務的なコンサルティングやシステムインテグレートを組み合わせれば、競合他社は容易に追随できない日商エレクトロニクス独自の価値を生み出せる。


地域のお客様に対する支援体制をさらに強化

「デジタルレイバーアカデミー」を福岡でちょうど立ち上げた頃、デジタルレイバーのトライアルを進めていたある大手のお客様から、「本格的な実践に向けて全社展開のプロジェクトに移行したい」という話があった。この要望に応えるためには50~100名のデジタルレイバー技術者が必要と考えられたが、九州においてそのような大量の技術者を確保することは非常に困難で、地域内での人材の奪い合いになりかねない。

「だからこそ、地域に貢献するためにも、デジタルレイバーアカデミーのような人材育成の取り組みが欠かせません」と木村は話す。

多くの苦労を重ねてきたが、そのかいあって九州営業課は現在では、充実したデジタルレイバーの人材育成や実践支援の体制を整えている。福岡市に続いて、2019年10月からは大阪市でもデジタルレイバーアカデミーを始動している。

大阪のデジタルレイバーアカデミー立ち上げを担当した上松は、次のように話す。「九州営業課の経験を生かすことができたおかげで、比較的スムーズに立ち上げを行えました。また、DX第二事業本部全体として、デジタルレイバーに関する実践ノウハウがナレッジベースに蓄積されつつあり、地域のお客様に対する支援体制をさらに強化していきます」

一方で、まだまだ多くの課題が残っているのも事実だ。最たるものが距離と時間をいかにして克服するかという問題である。例えば同じ九州内でも福岡から宮崎に移動するとなれば、ほぼ半日がかりとなる。事あるたびに九州営業課の技術者が出張していたのでは、いつまでたっても人材不足を解消することはできない。

「その意味でも地域から率先してオンラインミーティングツールの『Zoom』を遠隔サポートに活用したり、RPAやデジタルレイバーにとどまらない自動化・自律化の技術を積極的に導入・提案したりするなど、人に依存しない支援体制を確立する必要があります」と木村は語る。

一貫して「デジタルレイバー×地域の信頼」を重視し続ける日商エレクトロニクスの新たな価値が、DX第二事業本部の絶え間ないチャレンジの中から生み出されていく。

企業におけるデジタルレイバー活用を推進するため、RPAとOCRの実践的スキルを獲得するコースを開設、初心者から資格取得を目指す上級者まで受講者のレベルに応じたトレーニングを提供しています。

デジタルレイバー担当メンバー
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