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NEA Interview

強さの秘密 日商エレクトロニクス Vol.1

シリコンバレーで最先端技術の「目利き力」を磨く NISSHO ELECTRONICS(U.S.A.) CORPORATION Manager, Marketing & Business Development 山本 大輔 シリコンバレーで最先端技術の「目利き力」を磨く NISSHO ELECTRONICS(U.S.A.) CORPORATION Manager, Marketing & Business Development 山本 大輔

日商エレクトロニクスの米国法人、NISSHO ELECTRONICS(U.S.A.) CORPORATIONに勤める山本大輔は、シリコンバレーを中心とした米国のベンチャー企業を訪問する日々を送っている。こうした企業が開発する数多くの最先端技術の中から、これからの日本企業に必要な製品やサービスを吟味し、日本に広く流通させることに山本は大きなやりがいを感じている。

人とのつながりが
「目利き力」の源泉

「いつか海外で仕事をしたい」。学生の頃からそう考えていた山本大輔は、2004年に日商エレクトロニクスに入社した。
最初に配属されたのは、パートナー営業部門。システムインテグレーターやリセーラーなどのパートナー企業に、自社の商品を提案・販売することが主な仕事だ。

「パートナーは同じ商品を当社以外からも買えるので、選ばれるためには人間同士の信頼関係を築かなければなりません。また、パートナー企業の持つ商品と組み合わせて、どうすればエンドユーザーに価値のある提案ができるかを考えることも大切です。パートナー企業というプロを相手にした営業の面白さを知りました」

山本は、積極的に人に会い話を聞くことで、先端技術に関する知識や見極める能力を身につけていった。

NEAオフィス内風景 NEAオフィス内風景

パートナー営業を5年ほど経験した後、自ら希望してマーケティング部門に異動した。

「周囲には、当時からNEAに赴任したいという話をしていました。そのためには営業だけでなく、マーケティングの経験も必要だと考えたのです。」

営業からマーケティングに移った2009年には、3カ月間の海外研修で日商エレクトロニクスの米国法人、NISSHO ELECTRONICS(U.S.A.) CORPORATION(以下、NEA)に駐在する。

「期間中は、さまざまな先端企業の人たちと連絡を取り、片っ端から会いに行きました」と山本は振り返る。

シリコンバレーの空気に触れた山本は、NEAへ異動したいとの思いを、ますます深めていく。
マーケティング部門には3年ほど在籍した。売れ筋商品も担当したし、商品の新規立ち上げも担当した。逆に販売終了やサポート終了の商品を担当したこともある。いろいろな経験を積むことで山本は、「顧客がどのような商品を求めているのか」を学んでいった。

そして2014年5月、山本は念願かなってNEAに赴任した。

NEA Headquarters
シリコンバレーの街並み

NEAで山本は、情報をいち早く入手し、持ち前のフットワークを生かして、とにかく人に会うことを心がけている。

「ニュースはもちろん、イベントやちょっとした集まりなどの機会にはなるべく出席して、最先端の技術動向をウオッチするように努めています」と山本。ベンチャーキャピタルの投資状況、有名な経営者や技術者の転職などのニュースも、注目すべきベンチャー企業を探すのには欠かせない情報源だ。その上で、「これは」と思うベンチャー企業にはすぐ連絡を取り、訪問する。「ほぼ毎日のように、ベンチャー企業の経営者やアーキテクトなどと、話すようにしています」と山本は言う。

日本から日商エレクトロニクスの顧客企業の技術者がシリコンバレーを来訪することもあり、その案内役として各企業を訪れることも多い。山本はそのような機会に、日本企業が直面している課題を積極的に伝え、また技術に関する疑問を解決するように努めている。

先端技術をキャッチアップし続けるのは容易ではないが、若いころから身につけてきた行動力と人とのつながりが、山本の先端技術に対する「目利き力」を磨いてきたのだろう。

AWS re:Invent 2016会場の様子
これまで参加した様々なイベントのパス

SaaSに特化した潔さ

「これなら、日本の顧客ニーズに応えられる」

山本はNew Relic社のクラウド型Webアプリケーション監視・分析プラットフォームの「New Relic(ニューレリック)」と出会ったとき、そう確信した。
山本が勤めるNEAは、シリコンバレーに拠点を置く。IT企業が集積するこの街で、次々と生みだされる最先端技術を常にウオッチし、「これは」と目を付けた製品やサービスを日本市場に持ち込むのが山本のミッションだ。
その山本が、クラウド時代に必須ともいえるサービスを提供するNew Relic社に巡り会ったのは、2015年秋のことだった。

New Relicの展示会

New Relic社が提供する「New Relic」は、SRE(Site Reliability Engineering)※1のために開発されたクラウド型Webアプリケーションのパフォーマンスをモニタリングしたり、分析したりするプラットフォームだ。ECサイトやFX取引など、「止められないサービス」を運用する企業にとって、Webアプリケーションのパフォーマンス低下は死活問題につながる。サーバーがダウンしてしまうことは当然許されないが、ちょっとしたレスポンスの遅れでさえ、ユーザーにストレスを与えて離反を招き、大きな損害を被ることが少なくない。こうしたWebアプリケーションのパフォーマンスをリアルタイムで監視・分析できることが、New Relicの大きな特徴だ。パフォーマンスを「見える化」することで、何か問題があればすぐに有効な対策を打つことが可能で、障害予知に大いに役立つ。

New Relicはフリーミアム※2で提供されていて、ライトユーザーは無償で使用できる。無料で試してみて本格的に利用したくなったら、月額料金を支払うことで、充実した機能が利用可能になる。調べてみると、無償で利用しているユーザーは多く、特に技術者が高く評価しているという。
山本は、すぐにNew Relic社の幹部にアポを取った。
実際に会って話を聞いてみると、経営資源をクラウドサービスに集中的に投入するなど、確固たるビジネスプランを持っている。しかも、AirbnbやZendeskなど著名な企業がユーザーに多い。

「New RelicのGo-to-Market Strategyに共感」。山本は好印象を抱いた。

すぐに日本の本社と連絡を取り、New Relic社と具体的な交渉を開始した。
だが、予想以上に交渉は難航した。

その理由の一つとして「当時、New Relic社にとって日本市場に対する優先度は高くなかった」と山本は振り返る。

しかし、山本はあきらめなかった。何度も足を運び、急成長中のこのベンチャー企業に日本市場の魅力を伝え、日本におけるビジネス展開の意義を説いた。「一時は断念しかけたこともある」が、ビジネスモデルを突き合わせ、契約内容を見直しながら、Win-Winのパートナーシップ構築を目指して話し合いを続けた。

「New Relicはデジタルビジネスを支える必要不可欠なプラットフォームだ」。山本は粘り強く交渉を続けた。

机で打ち合わせ 机で打ち合わせ
立って打ち合わせ 立って打ち合わせ

日商エレクトロニクスの次の一手(Next step)」

2016年12月、日商エレクトロニクスは「New Relic」を日本市場に投入した。

「契約がようやく決まったときには、正直ほっとしました」と山本は打ち明ける。

New Relicは山本個人にとって忘れられない商材だが、これからの日商エレクトロニクスにとっても、戦略的に重要な商材である。

「従来の日商エレクトロニクスの事業は、ハードウエアやソフトウエアの商品が中心でした。しかし、最近はクラウド化の動きが加速しており、サービスをベースにした新たなビジネスモデルの構築も求められています」と山本は説明する。

インタビュー風景 インタビュー風景

2016年には、社内の組織横断的なプロジェクトとして「デジタルトランスフォーメーションプロジェクト」が誕生した。SREや人工知能(AI)技術などを連携する顧客との共創型ビジネスを開拓するとともに、こうした取り組みを通じて顧客やパートナーに新しい価値を提案するといった、日商エレクトロニクスの将来に向け、重要な役目を担うプロジェクトだ。
New Relicは、このプロジェクトとしてローンチした、最初の商品である。

「New Relicは、これまで日商エレクトロニクスが手掛けていなかった、課金型のクラウドサービスとして提供します。この新しいビジネスモデルをまずNew Relicで成功させ、第2、第3の商品をどんどん発掘していきたい」と山本は目標を語る。すでに山本の脳裏には、いくつもの商材が商品候補としてリストアップされている。

シリコンバレーの企業のすごさを山本は「常に次の一手(Next step)を考えていること」と語る。どんな企業が、どんなNext stepを打ち出してくるのか。そして日商エレクトロニクスは、どういったNext stepを打つのか。
山本も、新しい発見と刺激に満ちた日々を送りながら、次の一手、Next stepを模索している。

1985年にIT先進国であるアメリカの拠点として設立後、シリコンバレーより日本とアメリカにおける
最先端技術の橋渡し役として、お客様のご要望にお応えするソリューションやサービスを発掘しています。

ビルの庭に立つチーム ビルの庭に立つチーム
左から真次、代表 細井、山本
(※1)SRE(Site Reliability Engineering):
運用管理がビジネスに与えるインパクトを見据え、サービスの安定性、信頼性向上のためあらゆる方法を開発する体制。Google・Facebookなど、海外の先進的企業での取り組みが注目を集めています。
(※2)フリーミアム:
ベーシックな機能を無料で提供しアドバンス機能を利用する場合に課金が発生するビジネスモデルを指します。
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