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働き方改革/テレワーク基礎講座(2)「場所にとらわれない働き方」ってどんなこと?

2017年12月28日

働き方改革/テレワーク基礎講座(2)「場所にとらわれない働き方」ってどんなこと?

<働き方改革/テレワーク基礎講座>の第2回は、「場所にとらわれない働き方」について考えます。"働く場所"というと、人事や総務、経理部門などの方ならば、多くの人が事務所の自分のデスクを思い浮かべるかもしれません。営業部門やサポートを行う部門ならば、客先や社外にいることが多いですが、 "ベース"となるのは自社のデスクでしょうか。
今、このような"働く場所"をもっと柔軟に考えて、「場所にとらわれない働き方」を取り入れるべきではないか、という議論が日本中の企業で起きています。今回は、その理由と「場所にとらわれない働き方」の種類を見ていきましょう。

「場所にとらわれない働き方」が求められる3つの理由

働き方の"常識"が今、転換期を迎えている

「場所にとらわれない働き方」とは、文字通りオフィスのデスクにとらわれない働き方です。「朝は出社して、就業時間まで社内で働く」というのは、これまでの"常識"でした。しかし、社会が大きく変化する中で、このような"常識"にとらわれていては企業の存続にも関わる...という時代になろうとしています。いわば、昔の常識は現在の非常識、転換の時期なのかもしれません。

ではなぜ「場所にとらわれない働き方」が必要となるのでしょうか。第1回の記事をお読みいただいた方はピンとくるかもしれませんが、まずは、その理由を整理してみましょう。ここでは、その代表的な理由を3つ挙げてご紹介します。

  • 理由1:人材の不足化
  • 理由2:市場競争力の強化の必要性
  • 理由3: 災害などへの対策の必要性

この3つの理由について、もう少し詳しく見てみましょう。

3つの理由から考える、働き方改革の道

理由1:人材の不足化

第1回でも触れましたが、今後の日本は労働力人口が大きく減少しようとしています。そのため、採用すべき人口総数も減少し、さらに企業の人材も定年退職などで減り続けるということが予測されています。人材不足時代になると、少しでも良い条件の企業へと人材が流出することも考えられます。

こうした時代、かつてならば退職を余儀なくされていた、妊娠中や育児期間中、あるいは介護に携わる必要がある従業員の活用も1つの道となります。このような人々に共通するハードルの1つが「出社が困難」ということ。「自宅などでも勤務できる」という方法があれば、こうした人材を活用できるようになります。

理由2:市場競争力の強化の必要性

経済のグローバル化やITの進歩により、市場競争が激しくなっていることは、多くの人は実感していることでしょう。このような中で競争力を高めていくには、業務効率化だけではなく、売上を伸ばすことも必要です。

例えば売上に直結する営業部門の場合はどうでしょうか。「毎日、遅くまで残業している人が多い...」と感じている人もいるかもしれません。しかし、その理由がその日の日報の作成だったり、社内でしか見られない資料の閲覧、書類の印刷...ということも。こうした部分を効率化し、直行・直帰がしやすい環境とルールを作ることができれば、より商談回数は増やせますし、営業担当者の疲労も少なくなるのではないでしょうか。

理由3: 災害などへの対策の必要性

企業にとって業務が止まってしまうことは、経営上、大きな打撃となります。そのため社内のデスクにいなければ業務ができない、ということは業務継続を考える上でリスクの1つとなります。

例えば自然災害により社内で業務を行えないケース、パンデミックなど広域の感染症の流行などにより出社できないケースなどが考えられます。つまり、いつものオフィスで働く以外にも、ビジネスを止めなくて済む手段を用意しておくことが必要です。それが、昨今BCP(Business continuity planning:事業継続計画)という語が注目を集めている理由の1つです。

事実、そのような動きはすでに始まっていると言えます。右記のグラフをご覧ください。2011年からテレワーカー人口が増加傾向にあることがわかります。これは、東日本大震災を受けた企業の動きの1つと考えられます。テレワーク(Telework)とは、ITを活用することにより、時間や場所の制約を受けずに働くことを指しますが、ビジネスを止めない働き方として、このような働き方が受け入れられつつあるのです。

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場所にとらわれない働き方の種類

次に、場所にとらわれない働き方にはどのようなものがあるのか、その例を3つご紹介します。

(1)在宅勤務

文字通り自宅にいながらにして仕事を行うことです。先述したような、妊娠、育児、介護などで「出勤すること」や「出勤時間」に課題を感じる人に適した働き方です。そのための環境作りには、IT活用など仕組み作り、社内ルール整備の両面から考える必要があるでしょう。

IT活用の面としては、「社内と同じ業務を自宅でもできる」ことや「セキュリティ対策済の端末・ネットワークの用意」などを考える必要があるでしょう。

社内ルール整備としては、「勤務時間」をどのように算出するかという点や、「働いた時間」で評価するのではなく「成果物」で評価するなどが考えられます。

(2)モバイルワーク(営業やサポート関連部門など)

モバイルワークとは、営業担当者やサポート担当者などを例に考えるとわかりやすいでしょう。社外などでノートPC、スマートフォン、タブレットなどの「モバイル端末」を活用して業務を行うイメージです。

先述したように、市場競争が激化する今、営業担当者などが働きやすい環境を作ることも重要です。そこで、このようなモバイルワークの重要性が指摘されているわけですが、第1回の記事でも紹介したような、PC持ち出し禁止など「『IT』による制限」があることも事実です。こうした制限をいかに排除していくかを全社的に考えることも必要になります。

(3)BCP対策

これは前項の「災害対策」にも関連する項目ですが、「災害などで出社できない状況になった時、業務を継続させるためにどこで働くか」と言う問題です。その選択肢の1つは、在宅勤務ということになるでしょう。

ほかの方法としては、拠点が複数ある企業であれば、自宅から最寄の拠点、より安全性の高い拠点などに出勤することなどが考えられます。そのためには自席のPCでなければ作業ができないような環境ではなく、どの拠点からでも自分の業務を行えるような環境が望ましいといえます。

代表的な3つの働き方をご紹介しましたが、ITの果たす役割が大きいことがわかります。しかし、だからといってIT部門が先導するかというと、それもまた別の問題です。働き方が変わると、社内の規定を変えたり、新たなルール作りが必要となることから人事部門も重要な役割を担うことでしょう。もちろん、総務、経理、営業などほかの部門の働き方も考える必要があります。全社的に横断した視点を持ち、働き方の改革に取り組むことが求められるのです。