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働き方改革/テレワーク基礎講座(3)「働き方改革」を阻害する3つの要因と解決策

2017年12月28日

働き方改革/テレワーク基礎講座(3)「働き方改革」を阻害する3つの要因と解決策

「働き方改革には全社横断的なワークグループを作り、取り組んでいくことが重要」。あなたがもし、このように考えているならば、それは正しい認識です。しかし、ワークグループを組織するには、越えなければならないハードルがいくつかあります。それはどんなハードルで、越えるためには何をすべきなのでしょうか。
そこで<働き方改革・実践編>と銘打つ本連載では、働き方改革に取り組む時の阻害要因、それを乗り越えるための手法について、全5回で具体的に解説します。人事、総務部門の方が、働き方改革のためのIT活用について学ぶためにも、ぜひ、お読みいただきたい内容です。今回は、3つの代表的な阻害要因と、その解決手法について取り上げます。

働き方改革を阻害する3つの要因とは?

場所・端末・アプリ・セキュリティ...企業が必ず直面する"壁"

働き方改革への取り組みを考えた時に、ITを検討する上で企業が直面する"壁"があります。この壁を乗り越えずして先には進めないわけですが、まずはそれがどのような課題なのか整理すると大きく下記の3つが挙げられます。

  1. 業務端末に関わる課題
  2. 業務アプリケーションに関わる課題
  3. セキュリティに関する課題(情報漏えい対策)

この3つの課題について、それぞれ詳しく見てみましょう。

3つの課題に対応したITとは?

では次に、人事や総務も知っておくべき、上記の3つの課題とその解決策となり得るITの仕組みについて簡単に説明しましょう。

1.業務端末に関わる課題

  • 企業貸与のPCなどを社外でも安全に使えるようにする
  • 個人のPCなどを業務用に使えるようにする

これも、企業貸与のPCや個人PC利用に関する規定の変更、安全に使える仕組み作りなど、多角的にとらえて対応する必要があります。

2.業務アプリケーションに関わる課題

オフィスでいつも使っている業務アプリケーションが、社外からも同様に使えるとは限りません。社内のネットワークに接続しなければ使えない業務アプリケーションもあることでしょう。このような場合に必要となるのが、社外での利用が予測される業務アプリケーションの棚卸でしょう。例えば、おおまかに次のように分類することができます。

  • 社内でしか使用を認めない
  • 社外でも使用を認めるが一部制限する
  • 社外でも自由に使える

このように、各部門の協力のもと、どこまで利用したいのか、実現可能なのかを協議することになるでしょう。

3.セキュリティに関する課題(情報漏えい対策)

昨今、大きな情報漏えい事件が話題となりました。それ以外にも数多くの情報漏えい事件が発生している今、セキュリティ対策は企業にとって避けては通れないテーマです。

大きく分けると、

  • ネットワーク経由のサイバー攻撃(ウイルス攻撃なども含む)への備え
  • PCやスマートフォンの紛失・盗難など物理的な被害への備え


の2種が考えられます。

セキュリティ対策が厳重過ぎて、ユーザーの利便性を損なうことはよくある話ですが、場所を問わない柔軟な働き方を考えた時に、慎重にそのバランスを探っていく必要があります。IT側でどこまで安全性を確保できるのかもポイントになるでしょう。

3つの阻害要因を乗り越えるアイディア...ITの活用方法

問題解決の一要素としてのIT活用

働き方改革に取り組むとき、必ずと言っていいほど先述した3つの課題に直面することになります。一部門や限られた部門のみでこれらの課題に対応したために手詰まりになることもあります。そうならないためには、経営企画、人事、総務、営業、IT部門など、全社横断的にワークグループを作ることが欠かせません。

この3つの課題については、特にITが関与する割合が多いと言えます。社内のルールの見直しとITの活用の両輪で、取り組みを進めていくことになるでしょう。

3つの課題に対応したITとは?

では次に、人事や総務も知っておくべき、上記の3つの課題とその解決策となり得るITの仕組みについて簡単に説明しましょう。

1.業務端末に関わる課題
⇒安全に利用・接続したい:リモートデスクトップ/SSL-VPN

「場所を問わず働く」ためには、安全に使える端末が必要です。このような働き方に役立つのが、リモートデスクトップです。文字通り"デスクトップ"を遠隔地でも安全に使えるようになる仕組みです。社外にいても会社のデスクにあるPCを操作できるようなイメージです。

例えば、自宅のPC画面から会社のPCを操作できるなど、どこにいても社内にいるのと同様の業務が行えるというわけです。しかも、データは自宅PCではなく、会社のPC上に残るので、情報漏えいの危険性も少ないでしょう。

しかし、社外から社内のPCなどに接続するには、安全なネットワークが必要です。実は、私たちが通常利用しているインターネットは、セキュリティ上の危険性が完全にないわけではありません。常に、悪意を持つ者が不正アクセスの機会を狙っている状況と言っても過言ではないのです。

そこで、社外と社内を安全なネットワークで接続することが必要となります。例えば、社外と社内だけをつなぐ「専用の回線」を使えば安全ですが、コストが膨大になります。そこで、インターネット上で仮想的に専用の回線を作るのがVPN(Virtual Private Network)です。その中でも、比較的導入しやすいと言われているのがSSL(Secure Socket Layer) -VPN。こうしたネットワークを採用することが解決策となります。

   

2.業務アプリケーションに関わる課題 / 3.セキュリティに関する課題(情報漏えい対策)
⇒PCに情報を残さない:クライアント仮想化

社外から社内の業務アプリケーションを使えるようにするという問題と、セキュリティに関する課題は、1.で取り上げたリモートデスクトップやSSL-VPNで解決できると考えられます。

そこからさらに一歩進んだ考え方として、企業貸与のPCに対してそもそも、「ファイルなどのデータを入れられないようにしておく」という方法もあります。データはすべてPCではなく、情報システム部門などが管理するサーバーで一元的に保管しておくのです。手元で操作しているPCには何もデータが残りませんので、万が一、社外でPCを紛失したとしても、データは社内で安全に管理されているというわけです。

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ITを課題解決に最大限活用するために

働き方改革には、ITの活用は欠かせません。しかし、ITだけでルールが整備されていなくてもまた、計画は頓挫してしまうことでしょう。

重要なのは、働き方改革で何を実現するのか、その目的を明確にし、ルールとIT双方からアプローチしていくことです。そのためにも、全社横断的にワークグループを作り、経営企画、人事、総務、営業、IT部門などで協議を繰り返しながら、実践していくことが欠かせないのです。

そして、IT関連部門以外でも、働き方改革に関する必要最低限のIT知識を身に付けることが必要です。