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新技術「Cloud onRamp 」とは?――SD-WAN環境でのクラウド活用を促進

2018年2月22日

新技術「Cloud onRamp 」とは?――SD-WAN環境でのクラウド活用を促進

クラウド利用企業は年々、増加し続けています。しかし、クラウドが普及することにより新たな課題も生じています。それは「クラウドへのラストマイル」とも呼ばれ、クラウド接続時に生じる遅延などの品質低下です。今回は、こうしたクラウドを快適に活用するための最新技術「Cloud onRamp」について紹介します。

1. クラウドの普及と、WAN環境での新たな課題

クラウドサービスを「全社的に利用している」と「一部の事業所または部門で利用している」と回答した企業は46.9%――総務省の調査※によると、このように多くの企業で現在クラウドサービスを利用しているということが分かりました。さらに、年々クラウドサービスを利用する企業は増加傾向にあり、「今後利用する予定」の企業も14.5%あることがわかりました。

クラウドサービス利用状況調査の結果

しかし、クラウドが普及するにつれ、回線品質に関して新たな課題も発生しています。例えば複数の拠点を持っている企業の多くは、WAN(Wide Area Network)を構築し、それを使って通信を行っています。WANは複数拠点を結ぶネットワークですが、ここからクラウドがあるインターネットへ抜ける出口は、データセンタ(DC)など限定されています。そのため、クラウドへのトラフィックが増えると出口部分がボトルネックとなり、回線の品質が低下したり、アプリケーションが思ったように動作しなかったりといった問題が発生するようになったのです。「ラストマイル」とも呼ばれるこの問題を避けるには、どのようなネットワーク構成にするかを考えなければいけません。

2. 回線の品質低下を防ぐSD-WANとその限界

クラウド活用にともない、増加したトラフィックによって回線品質が低下してしまうという問題を解決するために注目されている技術が、SD-WANです。SD-WANでは、通信に応じて最適な経路を選ぶなど、アプリケーションごとに細かくトラフィックの管理が行えます。また、ネットワーク内のトラフィックも常に監視されているため、集中している回線があれば自動的にトラフィックはその回線を迂回し、余裕がある回線を自動的に選択する機能も備えています。この仕組みにより、トラフィックが増加しても、混雑を避けてスムーズに通信を行うことができるようになりました。

クラウドの活用に最適化されたネットワークを構築するのであれば、SD-WANは非常に適した方式です。しかし、SD-WANにもひとつ弱点があります。SD-WANで監視されるのは各拠点側のルータ間の各トンネルです。SD-WANによって拠点からゲートウェイまでの遅延は監視されていても、拠点から実際のSaaSアプリケーションに到達するまでの遅延までを監視することはできないため、ローカル、リージョナル、データセンタといった出口のうち、どれを選択すればアプリケーションが最適に動くのかまでは判断ができません。

3. ネットワークをクラウド活用に最適化するViptelaの「Cloud onRamp」

そこで、よりクラウド活用に最適化させるための新しい技術が生まれています。この技術は「Cloud onRamp」と呼ばれ、SaaSやIaaS環境を利用する際に、最も品質の良い経路を自動的に選択するという仕組みです。ユーザーが遅延などを感じることなく、スムーズな利用を促進すると期待されています。

Viptelaの「Cloud onRamp」

この「Cloud onRamp」をもう少し詳しく説明すると、HTTP pingなどにより、エンドからエンドまでのSaaSアプリケーションのパフォーマンスと可用性を監視し、そのデータから最適なインターネットへのパスを自動的に選択することができるというものになります。アプリケーションごとに最も品質のいい経路が選択されるため、多くの企業で導入が加速しているOffice 365などのSaaSを短い応答時間でスムーズに、そして安定して利用できるようになります。

実際、「Cloud onRamp」機能を搭載しているViptelaでは、グローバルに拠点を展開している企業において、Office365の応答時間が大幅に短縮されたとの事例が報告されています。同企業では、特に本部から国を隔てた遠隔地の拠点において、SaaSを利用中に画面のフリーズを感じることがありました。しかし、「Cloud onRamp」を導入後、アプリケーションの可用性が高まり、作業が快適になったといいます。

参考サイト:Cloud onRamp │ Viptela(英語)

現在、「Cloud onRamp」が対応しているのは、Office 365、AWS、Salesforce、Boxなどの代表的なSaaSアプリケーションです。これらのSaaSアプリケーションを利用している企業であれば、「Cloud onRamp」を導入することによって、最適なネットワークパフォーマンスで利用できるようになります。

4.まとめ

今回は、クラウドサービスの活用が進むことで生まれた回線品質に対する課題と、そのソリューションとしての最新技術、Viptelaの「Cloud onRamp」について紹介しました。

なお、テレコミュニケーション誌2018年1月号にVpitelaに関する弊社の記事が掲載されており、その記事の中でも「Cloud onRamp」について言及しています。「Cloud onRamp」に関する記事はこちらから全文を読むことができますので、クラウドサービスに最適化されたSD-WAN導入を考えている企業担当者の方はぜひご一読ください。

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