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Nutanixはじめて物語(2) ~「Nutanix Valuable Player」に聞く、知られざる苦悩~

2016年5月20日

Nutanixはじめて物語(2) ~「Nutanix Valuable Player」に聞く、知られざる苦悩~

にしおー

前回は日商とNutanixとの出会いから日本上陸までのお話を、 "Nutanixを日本に初めて持ち込んだ男"伊地知 崇さんに伺いました。
早速日本で販売開始することになったNutanixですが、最初から順風満帆というわけにはいきませんでした。当時、絶えず挑戦が繰り広げられていたようです。

日商の中で、また日本市場において、Nutanixビジネスを立ち上げて、Nutanixからも「Nutanix Valuable Player(“Nutanixにとって価値あるパートナー“)」という賞を受賞したのが、当社近藤智基さんです。今回は、伊地知さん、近藤さんのお二方に、にしおーこと、わたくし西尾友理がインタビューしました!

Nutanixの国内販売開始当初の苦労、国内出荷台数No.1となるまでの道のり、そして今後の展望について伺いました。

近藤 智基

近藤 智基
2002年、日商エレクトロニクス株式会社に入社。エンジニアとして中部地方の大手自動車会社、製造業のお客様を担当。2013年から3年間、マーケティング部にてプロダクトマネジメントに従事。Nutanix事業を急成長させ、Nissho Blocksも手掛ける。Nutanixのみならず、Commvault、VMwareまで含めたマルチプロダクトを管轄。現在はITプラットフォーム事業本部ITプラットフォーム営業部 営業推進課にてコンピューティングのマルチプロダクトを担当。

伊地知 崇

伊地知 崇
2003年、カナダウォータールー大学修了。2004年、日商エレクトロニクス株式会社に入社。営業として大手通信事業者を担当後、2009年から5年間、シリコンバレーにて新規商材発掘に従事。Nutanix、Nicira、Contrail等CloudやSDx分野におけるスタートアップ発掘から代理店契約締結に実績。帰任後、通信事業者担当営業を経て、現在、ネットワーク&セキュリティ事業本部 セキュリティ事業部にてマーケティングと営業を担当。

Nutanix1号機の天板に書かれたサイン...エンジニアの思いを胸に

―― 西尾:日商で検証機として購入した、Nutanix国内1号機が到着した時は、やっぱりワクワクしながら梱包を開いたのですか?

近藤:もちろんです。そうしたら、驚くことに1号機の天板にはNutanix社のエンジニアたちのサインとメッセージがぎっしり、書き込まれていたのです。

―― 西尾:筺体の天板に、ですか? そのサインの書かれた1号機は今でも社内にありますか?

近藤:はい、今でもNETFC(ネットフロンティアセンター)で稼働しています。あの実機に書かれたサインには感動しました。それと同時に、Nutanix社創業メンバーたちの人情味のある熱い思いが伝わってきました。「何としても日本でNutanixのユーザーを増やしていこう」と強く感じたことを覚えています。

※ NETFC(ネットフロンティアセンター)...日商エレクトロニクスの検証センター。国内最多のNutanix検証機を保有している。

記念すべきNutanix「1号機」
記念すべきNutanix「1号機」実機の天板には創業メンバーの手書きのメッセージとサインが。CEO Dheeraj氏からのメッセージも含まれ、Nutanix社エンジニアの熱い気持ちが伝わってくるよう。

Nutanixの「先進性」ゆえの難しさ

―― 西尾:「売れる!」という強い確信のもと取り扱いを開始したNutanixですが、当初からスムーズに販売実績を積み重ねることはできたのでしょうか?

近藤:実は当初、社内での検証がなかなか思うように進みませんでした。Nutanixのような先進的な製品を、国内で初めて取り扱ったということもあり、検証事項の取りまとめや検証環境の構築にとても時間がかかってしまったのです。

―― 西尾:そういえば、「製品の検証だけではなく、営業部門との連携も大変だった」というようなお話も伺った記憶が...。

近藤:Nutanixの販売体制に関しても、軌道に乗るまでにはかなり時間を要しました。当時は仮想化のソリューションとしては、サーバ、ストレージを利用した3Tierが主流でしたので、営業メンバーにNutanixへとシフトさせるのはそう簡単ではありませんでした。

Nutanixの「先進性」ゆえの難しさ

―― 西尾:国内での販売がなかなか思うように進まない状況を、アメリカに駐在していた伊地知さんからはどのようにみえていましたか?

伊地知:歯がゆい思いでしたよ。日本での販売がなかなか進まないということで、実はUSのNutanix社との関係も2014年頃には一時悪化してしまって。サンフランシスコでのイベントでNutanix社の経営陣と顔を合わせた時には、「どうしてNutanixを売ってくれないのだ!」と言われたりもしました。結果はともかく、当時日商エレクトロニクスとしても最大限努力している最中だったので、あの時はかなり白熱した議論になりましたね。

それでも変わらない、"Nutanixは「売れる!」"という確信

―― 西尾:国内販売が思うようにいかない中、Nutanixに対する期待が揺らいだ瞬間もあったのではないですか?

伊地知:確かにさまざまな困難にも直面しましたが、それでも「Nutanixは売れる!」という確信がありました。むしろ、Nutanixについて深く知れば知るほど、その確信がさらに強くなりましたね。

―― 西尾:Nutanixの持つ可能性は、もっと大きなものであると気づかれたということですか?

伊地知:そうですね。お客様の思いに柔軟に対応するNutanix社のエンジニア魂を再認識する出来事もありました。当時、Nutanix社としてはNutanixへ対応するハイパーバイザーをVMware ESXi→Microsoft Hyper-V→KVMという順番で開発していく予定でした。そんな開発段階の中、日商がNutanixを取り扱い始めて早々に、あるお客様にNutanixを導入したのですが、そのお客様はKVMユーザーだったのです。そこで日商エレクトロニクスはNutanix社に対して「まず先にKVMに対応してほしい」と要望をだしました。するとNutanix社はロードマップを変更し、先行してKVMに対応させてくれたのです。

―― 西尾:ハイパーバイザーの対応ロードマップをお客様とディストリビューターの要望に合わせて変更するなんて、なかなかできることではないですよね!

Nutanixに吹く追い風...そして国内No.1へ

―― 西尾:そういえば、国内ではハイパーコンバージドインフラとして、まずVMwareのEVO:RAILが注目を集めていましたね?

近藤:そうですね。EVO:RAILが注目されるにつれて、ハイパーコンバージドインフラという新たなアーキテクチャや市場の認知度も急速に高まっていったのは間違いありません。NutanixにとってEVO:RAILは競合製品ですが、これはNutanixを販売する上での追い風となりました。

―― 西尾:販売開始当初の困難や、営業戦略の変革の結果、2015年秋には、日商エレクトロニクスのNutanix出荷台数が180Blocksを突破。国内初のディストリビューターとして、国内最多の出荷実績を誇っていますね!

近藤:検証段階や販売開始当初こそ社内体制の整備に苦労しましたが、実際に販売を開始してからは大きな苦労はありませんでした。やはり、「先進性やベネフィットがわかりやすい」というのはNutanixをお客様に提案する上で大きな強みでした。

―― 西尾:そんな近藤さんは、Nutanixから、Nutanixビジネスに貢献した人として、「Nutanix Valuable Player」を受賞されていましたね。その他にも日商エレクトロニクスとして、「In Recognition for Outstanding Momentum(日本市場における販売実績と市場認知への活動を評価)」「Biggest Deal Award(大規模案件獲得を評価)」も同時受賞し3冠を達成していたと聞いています。受賞がわかった時には、どのようなお気持ちでしたか?

近藤:事前に何も知らされていなかったので、とても驚きました(笑) とはいえ、受賞できたことは大変光栄だと感じました。そして、ディストリビューターとしての日商エレクトロニクスをNutanix社にも認めていただけたことを大変嬉しく思いました。

Nutanix Partner Summit 2014 3冠受賞
2014年パートナー向けイベント「Nutanix Partner Summit 2014」にて「Nutanix Valuable Player」など3冠を受賞した時の一コマ。

Nutanixとの新たなチャレンジ

―― 西尾:最後に、国内で初めてNutanixを取り扱いはじめた日商エレクトロニクスとしては、今後はどこを目指していきますか?

近藤:Nutanixは今、大きな注目を集めています。だからこそ、さらなる価値を付け加えていくような「挑戦」を続けていかなければならない、そういう役割を担っていると感じています。

―― 西尾:Nutanixと他社の製品を組み合わせた日商独自のエコシステムである「Nutanix PLUS」も、この目標に向けた取り組みのひとつでしょうか?

近藤:そうです。今後はNutanixだけではなく、Nutanixをさらに活用してもらうために、エコシステムと呼ばれる別の製品とあわせたご提案が必要だと思っています。例えば、Nutanixと連携できるバックアップソフトCommvault社の製品と組み合わせた「Nutanix + Commvault」、仮想デスクトップパフォーマンス監視、アセスメントのLiquidware社製品と組み合わせた「Nutanix + VMware / Citrix / LiquidwareLabs」を提供しています。これらの組み合わせは実はNutanix社自身もオフィシャルに推奨しています。当社は国内でNutanixのエコシステムを提供できる唯一の企業なのです。エコシステムによりNutanixをより良いシステムに仕上げてお客様のためになるサービスを提供していきたいと考えています。そのため、「Nutanix PLUS」のソリューションは今後さらに拡充していく予定です。

Nutanix PLUSについて詳しくはこちら

取材後記

取材後記

Nutanix1号機に書かれたメッセージの話から、Nutanix社のメンバーの日商エレクトロニクスに対する熱い思いを感じました。私も、Nutanix社のこのような粋な計らいを知って、ますます虜になってしまいました!

今では多くの方が知っているNutanixですが、やはり当初は課題も多くあったのですね。過去の記憶を呼び起こしながら当時の思い出を話してくださった伊地知さん、近藤さんの姿からそのことがよくわかりました。多数のお客様に導入してきたいまだからこそ笑い話としてお話できたのだと思います。近藤さんが「Nutanix Valuable Player」を受賞できたのも、素晴らしいお客様たちに根気強くお付き合いいただきながら、Nutanixとともにその苦労を乗り越えたからこその成果なのだと感じました。

今回のインタビューを通して、普段の業務ではわからなかったNutanixやNutanix社の新たな一面を知ることができました。そんなNutanixのマーケティングを担当できることは、私自身とても光栄なことだと改めて感じています。

今後は、Nutanix担当マーケターとして、Nutanixの良さをひとりでも多くのお客様にお届けできるよう、情報発信を続けていきたいと思います。

以上、Nutanix担当にしおーこと西尾がお届けしました。