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Nutanixの仕組み

2017年12月 5日

Nutanixの仕組み

今日は仮想化インフラ基盤に最適なハイパーコンバージドインフラストラクチャ「Nutanix」の技術的なお話を、最初から体系立てて勉強したい、総合的にさらりとおさらいしたい、というご要望にお応えした記事を掲載いたします。
世の中ハイパーコンバージドインフラストラクチャやNutanixに関する情報が氾濫していますね。この状態から取組始めるのに苦労するのではないかと考え、この記事にしました。私もやや後発で勉強を始めたので、とっかかりに苦労しました・・・みなさんに同じ苦労はしていただきたくないものです。
※本記事は2017年11月15日の情報を基準に書かれています、ご注意ください。

1.Nutanixのハードウェア構成

インフラ担当者様にとって、とっつきやすいのはやはりハードウェアレイヤだと思います。私も長いことインフラ環境サイジングからのハードウェア選定を担当していたので、この話題だとほっとします。

大きな特徴としては、いわゆるIAサーバで構成されていることですね。

ハイパーコンバージドインフラストラクチャ、などと大げさな名前がついていますが、安心してください。ハイパーコンバージドインフラストラクチャも、今あるIAサーバの使い方が変わっているだけです。ハードウェアレイヤでの目新しい技術はありません。

IAサーバで構成されるNutanix

Nutanixをアプライアンスの形で提供しているベンダは次の3社

  • Nutanix社 Original Nutanix
  • Dell社 OEM Nutanix (Power Edgeシリーズがベースになっています)
  • Lenovo社 OEM Nutanix(Xシリーズがベースになっています)

Sierが構築することでNutanixを提供できるベンダは次の2社

  • Cisco社
  • HPE社

Sierモデルはそれぞれのベンダ提供機器中、一部分のみをサポートしています。

次、Nutanixの何がすごいのかというとソフトウェアで複数IAサーバを制御しているということです。

通常の構成では、IAサーバにOSかHypervisorをのせて使いますが、Nutanixではその下のレイヤにNutanix独自のOSを準備して、IAサーバをまたいでソフトウェアによる統合管理・設定を実現しています。インフラエンジニアにはおなじみのハードウェアRAIDですら使用しません。ソフトウェアにより冗長構成、データ保護構成を担保します。

Nutanixはソフトウェアで複数IAサーバを制御

最期に一番うれしいところが、システム構成がとてもシンプルな点です。

Nutanixは基本的に冗長構成グループ(クラスタ)構成を採用します。クラスタ構成の最小単位は3ノードです。
従来の仮想化インフラ基盤では、この3ノードに共有ストレージを接続してどのノードからも同様にアクセスできないとシステムを構成することができませんでした。
Nutanixなら3ノードだけ、共有ストレージは不要です。これを実現するのはSoftware Defined Storageという技術です。Nutanixのクラスタに参加する全IAサーバのディスクを、ひとかたまりのディスクプールとして構成してしまい、このプールをクラスタ構成ノードから使用することができるのです。

Nutanixはシステム構成がとてもシンプル

このおかげで、FC Switch、SAN Storageなど専門的な技術で、高額な製品を調達する必要が無くなりました。この結果、物理構成は最小限になり、論理構成はシンプルになりました。ラックスペースも削減します。素晴らしい。

※SAN StorageをDISっているわけでは、断じてナイです。私自身はHP様のVA→EVA→3PARを、提案、設計、構築にわたって担当していましたので、SAN Storageを愛しています(素)。このあたりは長くなるのでまた別の機会にでも。

Nutanixの詳細はこちら >

2.AcropolisOSのコンセプトとメリット

Software Defined と言うけれど、具体的にどのような構成になっているのか?というと・・・。 「AOS」という仮想マシンがNutanixの各ノード上で稼働します。この仮想マシンでいろんな制御を実行しているわけです。ノードをまたいで、お互いに連携します。

拡張方式はスケールアウト

CPU、メモリ、ディスクのリソースが足りなくなったらクラスタにノードを追加することで容量を増やすことができます。追加されたノードのAOSが既存ノードのAOSと連携することでクラスタの仲間入りを果たすというやり方です。小さく買って足りなくなったら拡張する、賢いお買いものができるというわけです。

Nutaniの拡張方式はスケールアウト

AOSの役割は次のふたつです。
Prism:管理画面を提供
Acropolis:バックグラウンド処理を実施

PrismとAcropolis

まずはAcropolisについてどんなものなのか見ていきましょう。
Nutanixのコアな部分を制御する大事な役割です。パフォーマンス面でも耐障害性能面でも、Acropolis様は大活躍です。

AcropolisはNutanixのコアな部分を制御

この記事では、ストレージの制御について詳しく触れていきます。

SSDとSATAのハイブリッド構成を制御する

NutanixはSSDとSATA、ふたつの規格のハードディスクを搭載できます。これらをどう組み合わせるのかというと、
アクセス頻度の高いデータ
アクセス頻度の低いデータ
で分類します。

NutanixはSSDとSATAのハイブリッド構成を制御する

  • SSDとHDDはそれぞれ別のプールとして管理
  • AOSがデータを分析。圧縮や重複を実施
  • SSDにデータを配備

この機能により、価格をおさえつつ高いパフォーマンスを発揮することができるのですね。

データの二重化をする(三重化もある)

次に、耐障害性能面での機能について見てみましょう。
Nutanixは複数ノードでクラスタを構成するコンセプトになっていますので、仮想マシンは各ノードの上で別々に稼働しています。次の図は左のノード上で動いている仮想マシンが○△□というデータを書き込んだところを表しています。
このままでは、左のノードやディスクが壊れたら○△□データは消えてしまいますね。

Nutanix データの二重化

それはまずいので、AcropolisOSが自動的に真ん中と右のノードに対し、データを分散してコピーします。

Nutanix データを分散してコピー

これで、左のノードに何かあってもデータは他のノードで確保されているので安心ですね。 データの二重化はRF2、三重化はRF3という用語で定義されています。 RF3は5ノードクラスタ以上の構成でないと有効に出来ないのでご注意ください。

仮想マシンのデータは、仮想マシンが稼働しているホスト上に持ってくる

ちょっと何を言っているかわかりにくいですが、納得すると「イイネ!」となるはずです。
Nutanixの特色である、データローカリティという機能です。
繰り返しになりますが、Nutanixは複数ノードでクラスタを構成します。ですので・・・
「仮想マシンのデータが、別のノードのディスクにある」という状態になることもあります。

一番パフォーマンスが良いのが次の図の状態で、仮想マシンが動いているノードにその仮想マシンのデータがある状態です。

仮想マシンのデータは、仮想マシンが稼働しているホスト上に持ってくる

ところが、障害やVMwareのDRS機能などで、仮想マシンが別のノードに移ってしまうことがあります。次の図のような状態です。

仮想マシンが別のノードに移動

こうなると、○△のデータは左のノードまでネットワーク経由で見に行かないとならないため、パフォーマンスに悪影響が出てしまいます。 データローカリティ機能は、この状態を自動的に回避します。具体的には足りないデータをノードに持ってくるように働きます。

データローカリティ機能で必要なデータを移動

これで、常に最高のパフォーマンスで仮想マシンを稼働させることができるというわけです。この技術を思いついた人、すごいですね。

Software Definedならではの性能アップ

これまで触れてきたように、NutanixのストレージはAcropolisOSが制御しているわけですが、Softwareなのでバージョンが存在します。Nutanixも力を入れて開発を続けています。コアテクノロジーなので当然ですが。 新しいバージョンのAcropolisOSにアップデートすることで、IO性能を大幅にアップできるというデータがあります。

Software Definedならではの性能アップ

ハードウェアはそのままなのに、ソフトウェアで性能が伸びるなんて、面白いですよね。

まとめると、AcropolisOSのおかげで・・・

  • 高い耐障害性能を発揮できる。計画外停止の問題はほとんど発生しない。
  • 常に最高のパフォーマンスを発揮できる状態を維持できる。
ということです。

Acropolisの詳細はこちら >

3.Prismのコンセプトとメリット

最期にPrismという管理コンソールについて。
Nutanixと仮想マシンの管理をひとつのGUIで提供するツールです。ブラウザで使えます。

3  Prismのコンセプトとメリット

全操作をクリックで実行できる

Nutanixに対する操作のみならず、仮想マシンの作成などもPrismから実行できます。vCetnerとPrismの画面を行ったり来たりしなくても良いということです。

マルチハイパーバイザーに対応

Prismはメジャーなハイパーバイザーをすべてサポートしています。お客様のご希望にあわせたハイパーバイザーを選択いただけます。これまでの運用で培ったノウハウを捨てることなく、Nutanixの便利な機能を使うことができますので、導入のハードルも下がりますね

Prismで マルチハイパーバイザーに対応

ワンクリック!

すべての操作をクリックで行えることはすでにお伝えしましたが、その中でも特筆すべき機能として「ワンクリックでいろいろなことができる」ことをご紹介します。

Prismをワンクリックで操作

仮想環境管理

ひとくちに仮想環境と言ってもいろいろありますが、まずは仮想マシンですね。 オレンジで囲ったところに仮想マシンに対する命令が書かれています。 電源を切る、スナップショットを取る、コンソールを起動する、サスペンドするなど、日々の運用で使うことの多い命令をワンクリックで実施できます。運用にかかる時間も大幅に減らせますね。

Prismで仮想環境を管理

仮想マシンの作成も、Create VMをクリックして必要情報を入力するだけ。

Prismで仮想マシンを作成

そして、AcropolisOSのバージョンアップもワンクリックで自動的に実施できます。 Update Softwareメニューから採用したいバージョンを選択するだけで、Nutanixを構成するソフトウェアすべてが整合性のとれたバージョンにアップデートされます。従来のサーバ+ストレージ構成だと、複雑なコンパチビリティチェックが問題となることがありますので、とても有効な機能だと思います。

ここまで簡単になると、エンジニアの仕事なくなっちゃうなぁ。

PrismでAcropolisOSをアップデイト

キャパシティ予測

運用を続けているとリソース消費量は伸びていきますが、リソースの増設をいつやるか?どても判断に困るポイントだと思います。仮想マシン台数の増加傾向、リソース消費率の推移など統計を取って傾向を分析し、いつごろ増設すれば良いのか予測するという地味で苦しい作業ですね。 Prismなら、ワンクリックで増設予測を表示してくれます。

Nutanixのキャパシティ予測

最終的に右のグラフのような消費リソース予測が表示されますので、こちらを参考に増設時期の判断をしていただけます。

運用監視

システムに故障はつきものです。仮想化基盤は複雑なシステムなのでどこの調子が悪いのか切り分けが難しいとう一面もあります。 Prismならひとめでシステムの状態を把握し、問題解決につなげることができます。

Prismで運用監視

「とりあえずPrismを見れば大体のことはできてしまうのね」くらいにとらえていただければ幸いです。

Prismの詳細はこちら >

まとめ

おさらいをしましょう。
ハイパーコンバージドインフラストラクチャのNutanixでは

  • ハードウェア的に新しい技術は使われていない。
  • すべてソフトウェアで制御されている。
  • 耐障害性能が高い。
  • 常に最高のパフォーマンスを発揮できる状態を維持する。
  • 操作は簡単。

たくさんのお客様がや仮想化用基盤にNtuanixをガンガン採用し続けている理由も納得ですね。

今日はここまで。また次の記事でお会いしましょう。