Innovation Leading Company

EVO:RAIL/Nutanix徹底比較

2015年10月 1日

EVO:RAIL/Nutanix徹底比較

※ 本ブログは2014年9月24日に執筆した記事を再掲載したものです。EVO:RAILとNutanixの最新の比較資料はページ下部から請求していただけます。

※ 2016年2月にVMware社の新しいソフトウェアVSANとNutanixの比較記事を書きました。VSANとの比較記事にご興味があればこちらからご確認ください

今回VMworld 2014を視察してきました。全体的な印象としては、Software-Defined Data Center(SDDC)とハイブリッドクラウド関連の発表が非常に多く、VMware社が今後クラウドに力を入れていくことを改めて感じました。

期間中、個人的に非常に興味を持ったのがEVO:RAILの発表です。これまで、VMware社はVirtual SAN(VSAN)機能を含むソフトウェアを提供し、サーバーを拡張するだけで簡単にストレージ容量を増やせるようにしてきました。しかし、今回はVMware社が提供するソフトウエア・仕様をもとに、パートナがハードウエアと組み合わせてHyper Converged Infrastructureというパッケージで提供することになりました。Nutanix社のNutanix Virtual Conputing Platform(以下Nutanix)と同じコンセプトです。

両社の製品特徴をみながら、個人的な見解を含めてブログを書きたいと思います。

EVO:RAIL/Nutanixとは

まずはEVO:RAILとNutanixについて、分かりやすく製品概要を比較したいと思います。

EVO:RAIL Nutanix(NX-3460モデル)
概要 VMware社のソフトウェア(OS)と設計仕様に基づいて、VMware社のハードウエアパートナーが実装したHyper Converged Infrastructure Nutanix OS、サーバー、ストレージを1つのアプライアンスとして提供する、Nutanix社独自のHyper Converged Infrastructure
拡張性 4ノード(1台)をベースに、16ノード(4台)までスケールアウト可能 3ノードを最小単位として、ノード単位で論理的には無限にスケールアウト可能
※なお、1物理アプライアンス毎に4ノード搭載可能
ソフトウェア ハイパーバイザー VMware vSphere Enterprise Plus VMware vSphere、Microsoft Hyper-V、KVMから選択可能
分散ファイルシステム VMware Virtual SAN Nutanix OS
運用・管理ツール VMware vCenter Log Insight
vRailsエンジン:EVO:Rail専用の管理ツール
Prism UI
ハードウェア ファームファクタ 2U(4ノード収容) 2U(4ノード収容)
CPU Intel E5-2620v2(6cores/2.10GHz) x 2 (ノードあたり) Intel E5-2680v2(10cores/2.80GHz) x 2 (ノードあたり)
メモリ 192GB(ノードあたり) 128GB or 256GB(ノードあたり)
分散ファイルシステムの実効容量(※1) 約13TB 約13TB

※1)実環境で利用する場合はデータを二重化するケースが多く、その場合、分散ファイルシステムの実行容量は上記数値の約半分になります。

Vmware社、Nutanix社が発表している、アプライアンス1台あたりに収容可能なVM数を参考情報としてお伝えします。

EVO:RAIL Nutanix(NX-3460モデル)
収容VM数
(メーカ参考情報)
サーバー仮想化 ・1台のアプライアンスで100VM(最大4台:400VM)
・vCPU:2個、vMEM:4GB、vDISK:60GBで冗長構成
開示情報なし
VDI ・1台のアプライアンスで250VDI(最大4台:1000VDI)
・条件:Linked Clone機能条件で、vCPU:2個、vMEM:2GB、vDISK:32G
・1台のアプライアンスで441VDI(論理上無制限にスケールアウト可能)
・条件:Linked Clone機能条件で、vCPU:2個、vMEM:8GB、HDD:10GB

EVO:RAILとNutanixはアプローチが異なる

従来高価だったSANストレージが不要となり、コストを低減し、短期間でシステムを導入できるという点では、両製品は同じようなソリューションです。

しかし、EVO:RAILはVMware社が提供するソフトウエアソリューションを、DevOpsや中小規模ユーザが簡単に利用できるようにアプライアンス化したのに対し、NutanixはGoogle、Amazonなどが提供するサービス基盤を、大規模エンタープライズでも簡単に使えるようにアプライアンス化している点が異なっています。そのため、オープンなプラットフォームを提供し、信頼性・パフォーマンスを維持しつつ、真の意味でスケールアウトが容易に実現できるかどうかという点で、両社には大きな違いがあると思います。

EVO:RAILとNutanixどちらが優れている?

EVO FamilyはVMworld2014で発表されたばかりのソリューションで、販売はこれからです。第一弾でリリース予定のEVO:RAILに加え、第二弾では現在Tech Preview中のEVO:RACKがリリースされる予定で、その詳細はまだベールに包まれています。まだ、どちらがどう良いか判断することは困難です。ですが、本日時点ではテクノロジーの観点でNutanixが一歩進んでいると考えています。理由は次の通りです。

  • Nutanixは、VMware、KVM、Hyper-Vのマルチハイパーバイザーをサポート。
    (EVO:RAILはVMwareのみ)
  • Nutanixは、最低3ノードからスタートし、ノード単位で拡張可能。
    (EVO:RAILは最低4ノードスタートで4ノード単位=ラック単位でのみ拡張)
  • Nutanixは、論理上無制限にスケールアウト可能。
    (EVO:RAILは4台(16ノード)まで)
  • Nutanixは、小規模から大規模に対応できるようスペックの異なるラインナップがあり、異なるラインナップでも10Gbpsポートで接続すれば1クラスタとして利用可能。また、Nvideaグラフィックカードを搭載したモデルを用意している。
    (EVO:RAILは1モデルのみ)

Nutanixへのインタビューから思うこと

最後に、VMworld 2014期間中に、Nutanixブースでの技術の方々との会話、営業上層部の方々との会食、Nutanix本社に立ち寄ってサポート陣との個別ミーティングで、“EVO:RAIL”を脅威に思うか聞きました。会話した相手は気心の知れた方々ばかりで”本音”のお話しができるため、正直、VMware社という巨人が、パートナと協業して本気でHyper Converged Infrastructure分野に乗り込んでくることを恐れていると考えていました。ですが、意外なことに答えは”NO”でした。逆に、Hyper Converged Infrastructureをいう分野をVMware社が広めてくれることでその市場認知度が高まり、Nutanix社にとって大きなビジネスチャンスになると考えているそうです。

Nutanix社はシリコンバレーではサンマイクロ以来の非常に早いスピードで成長しています。8月にはシリーズEでUS$140M(約140億円)を調達し、企業価値はUS$2B(約2,000億円)になりました。今回の同社のコメントは単なる強がりではなく、実績に裏打ちされた自信の表れのように感じました。

両社の動向を引き続きウォッチし、今後も皆さまに有益な情報を提供していきたいと思います。