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ハイパーコンバージドインフラストラクチャ比較

2017年12月 4日

ハイパーコンバージドインフラストラクチャ比較

今から遡ること5年前の2012年に、ハイパーコンバージドインフラをコンセプトにしたNutanixを日商エレクトロニクスは国内で初めて販売を開始しました。当時は「ハイパーコンバージドインフラって何?」という状況で、競合する製品も殆どありませんでしたが、ここ数年でハイパーコンバージドインフラ市場は急激に拡大し、積極的にハイパーコンバージドインフラを採用する企業が増えてきました。
今回は以下の主要な4つのハイパーコンバージド製品の特徴を比較してみたいと思います。

メーカー名 製品名 提供形態
Nutanix NX Series アプライアンス
Hewlett Packard Enterprise SimpliVity アプライアンス
VMware Virtual SAN(以降、VSAN) ソフトウェア
Microsoft Storage Spaces Direct(以降、S2D) ソフトウェア
佐藤 格史
佐藤 格史
プリセールス担当
セキュリティ事業部にてエンジニア経験を積み、複数の大型プロジェクト案件のPMを経て、現在はプリセールス業務に従事。

1.ハイパーコンバージドインフラとは?

本題に入る前にハイパーコンバージドインフラについて簡単にご説明します。詳細は下記リンクのページをご参照ください。

今さら聞けない「Nutanix」とは? >
HCI(ハイパーコンバージドインフラ)ソリューションページ >

3Tier構成と言われる3階層モデル(サーバ・ストレージ・ストレージ用ネットワーク)での問題は、「通信ラックの設置スペースなどのファシリティコスト(初期導入で大型のシャーシモデル導入など」「複雑な構成(各機器のコンパチビリティ確認)」「リソース拡張の難しさ(複雑な構成がゆえに..)」「性能拡張の限界(特にストレージのコントローラーが性能頭打ち)」「複数製品の管理・トラブル時の切り分け」などの課題が山積していました。
そこで登場したのが、SANやNASなどの外部共有ストレージを利用せずに業界標準のx86サーバに搭載されたローカルのSSDやHDDをソフトウェア機能で統合したハイパーコンバージドインフラです。X86ベースの各物理ノードには、CPU、メモリー、ディスク(SSDやHDD)、ハイパーバイザーが格納されています。必要なリソース(性能や容量)を必要なタイミングでノード増設が可能なため、初期投資を大幅に抑えることができます。柔軟なスケーラビリティを実現する仕組みとして、Software Defined Storageの技術が重要になります。

ハイパーコンバージドインフラは必要なタイミングでリソースを追加可能

最近、お伺いしたお客様から「SimpliVityとNutanixは何が違うの?」「NutanixとVMware VSANどう違うの?」など、ハイパーコンバージドインフラ観点やSoftware Defined Storage観点での質問を多く頂いています。そこで今回はハイパーコンバージドインフラの肝となるSoftware Defined Storage部分を中心に製品比較してみたいと思います。

2.各社の特長

各社の強みやビジョンを踏まえて、製品の特長を纏めてみました。

Nutanix

Google File System開発者らが創設したNutanix社はHCI市場を開拓し牽引してきました。Nutanixの根幹を支えるNutanixのOSが「Acropolis」。Acropolisは、Nutanixの「NDFS(分散ファイルシステム)」と仮想マシンのモビリティやデータ保護に関する機能を提供する「AppMobility」の2つから構成されます。ContollerVM (CVM)と呼ばれる仮想アプライアンスは、ノードごとに搭載されており分散ファイルシステム管理などNutanixの核となる機能を持っています。ユニークな特長としてマルチハイパーバイザー対応、マルチプラットフォーム対応(複数サーバーメーカーをサポートし、多種多様なモデルで構成可)、マルチクラウド連携などを実現。また、Prismと呼ばれるWebベースの管理ツールHCIを一元管理可能。今年6月に開催されたNutanix社の年次イベントでNVMe搭載モデルの発表など製品ラインナップの拡充を図りつつ、HCIの枠を超えてインフラから上流も視野に入れた戦略でアプリケーション運用管理ツール「Calm」や災害対策としてNutanix Xi(ザイ) Servicesを発表。

HPE SimpliVity

2017年1月にSimpliVity買収。USではNutanixと並ぶシェアを持つSimpliVity。他HCIメーカーはSoftware Definedをうたっているが、ハードウェアメーカーの強みを活かしSimpliVityはFPGA 実装やハードウェア アクセラレーターを活用することで機能の拡張性や性能への追求に妥協がない。ハードウェアが得意なものはハードウェアで処理させることでCPU負荷等を低減。運用管理操作は全て「VMware vCenter」管理コンソールに統合(プラグイン)されている。また、バックアップ、WAN高速化などユーザーのニーズに応える機能を標準搭載。リソース拡張時に気になるコストについてはFlexCapacityと組み合わせて従量課金にすることも可能。重複排除・圧縮機能、ハードウェアアクセラレーター、インメモリテクノロジーがあるため、バックアップも一瞬で終わり容量も取らない。VMware保守も窓口で一括対応してくれる点はさすがHPE。

SimpliVity 製品ページはこちら >

VMware VSAN

仮想化のパイオニアであるVMware。Software Defined Data Center(SDDC)をビジョンに掲げ、ソフトウェアで定義したITリソースを柔軟かつスケーラビリティのあるインフラ環境を目指す。主要な製品群であるITサービスの自動化(vRealize Automation (vRA))、仮想インフラ全体の可視化(vRealize Operations(vROps))、ネットワーク仮想化(NSX)、ストレージ(VSAN)などVMware製品のみで仮想インフラが実現可能。VSANはハイパーバイザーであるvSphereにカーネルベースで組み込まれているため、独自の優れたパフォーマンスと効率性を実現。また、VSANのライセンスを購入すると利用できるようになるため、実装がスピーディ。VSANの設定変更はvCenterから実行可能。vSphere、VSAN部分の保守は勿論、一括対応してくれる。OEM供給されているアプライアンスについては販売ベンダーの保守体制に依存。

Microsoft S2D

Windows Server 2016の標準機能だけでハイパーコンバージドインフラ環境の構築が可能。Hyper-Vと記憶域スペース ダイレクトが同じクラスターに存在する。サーバに接続したSATAやSAS(Serial Attached SCSI)、NVMeといったストレージデバイスだけで、高可用性ストレージを実現できる。S2Dの主な機能として「SSDキャッシュ」は、ストレージのタイプに応じてキャッシュ用とデータ用を自動的に分類する。また、「クラスター対応更新」でローリングアップデートが可能となり、無停止でのメンテナンスが実現。パブリッククラウド環境も視野に入れると、今までAzure環境では難しかった共有ストレージ環境の構築が可能に。

3.各社製品比較

各社製品のポイントを纏めてみました。

Nutanix HPE SimpliVity VMware VSAN Microsoft S2D
開発元 Nutanix HPE(2017年にSimpliVity買収) VMware(2013年にVirsto買収) Microsoft
提供形態 アプライアンスのみ アプライアンスのみ ソフトウェア
※汎用サーバと組み合わせたアプライアンス製品あり
ソフトウェア
※汎用サーバと組み合わせたアプライアンス製品あり
OEM提供 有り なし 有り 有り
対応ハイパーバイザー vSphere、Hyper-V、AHV(無償) vSphere。今後Hyper-Vサポート予定 vSphereのみ Hyper-Vのみ
拡張性 最小構成1ノード ~ 無限 最小構成2ノード ~ 32ノード 最小構成 2ノード
※Cross Overケーブル使用
最大16ノード
データローカリティ すべてのノードがデータローカリティ コンピュートノードがネットワーク経由でSimplivityノードのデータをアクセス なし なし
ストレージ階層化 ストレージ階層化機能あり
※Hot/Coldデータを自動階層化する機能あり
ストレージ階層化機能あり ストレージ階層化機能あり ストレージ階層化機能あり
ディスクリバランシング 有り、自動実施 バランシング機能ない バランシング機能なし
重複排除 ON/OFF可能、インテリジェント 常時ON、OFF不可 All Flash Only NTFS Only
データ圧縮 ON/OFF可能、圧縮率設定可能、インテリジェント 常時ON、OFF不可、圧縮率設定不可 All Flash Only NTFS Only
アップデート Prismからワンクリックアップグレード 複数管理ツールからアップグレード vCenterからアップグレード
※ディスクコントローラのみ
※vCenter、ESXiバージョンを意識する必要あり
Windows Update
ファイルサーバ機能 有り(AFS) なし 有り(3rd Party製品連携) 有り
ブロックストレージ機能 有り(iSCSI) なし 有り(iSCSI) なし
パブリッククラウド対応 AWS/Azureとネイティブ連携。
Googleとの連携を発表(2017/6)
なし
フレキシブルキャパシティでのAzure利用可能
なし
VMware Cloud on AWS(vSphere、vSAN、NSXなどのVMware環境をAWSのベアメタル環境のうえで実現したもの。)AWS米国オレゴンからサービス開始。2018年までに全リージョンでサービス予定
Azure
管理機能 Prism(AcropolisOSに搭載) vCenter Plug-in vCenter Server System CenterWindows PowerShell
コントローラーリソース CPU:4Core
RAM:20GB
[Small]
CPU:2Core
RAM:69GB

[Medium]
CPU:4Core
RAM:108GB

[Large]
CPU:4Core
RAM:114GB
CPU 10% of hostRAM:32GB/host #Min
ストレージ高速化技術 SSD/HDD自動階層化
データローカリティ、ALL SSD/ NVMe対応
ALL SSD構成のみ All SSD構成のみ SSDキャッシュ技術
セルフサービス機能 標準搭載
(AOS5.0から)
VMware vRA
(オプション)
VMware vRA
(オプション)
なし

4.まとめ

ハイパーコンバージドインフラは、構成がシンプル、導入が簡単でスモールスタートが行えるメリットがあります。 また、導入後の拡張が容易に行え、効率的な運用管理が可能になるため、大幅にTCO削減が見込めます。 パブリッククラウドとの連携を視野に入れる場合、ハイブリッドクラウドを意識したシステム環境をデザインしていくことが重要になるでしょう。

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ハイパーコンバージドインフラの 基礎知識

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