2021年3月11日

【ブログ】
HPEストレージ『Primera』の100%可用性プログラム
「100% Availability Guarantee」ってなに?

こんにちは。HPE製品を軸にプリセールス業務を担当している日商エレクトロニクス森です。
今回は、HPE社のプライマリストレージである「Primera」について紹介する際、お客様からよく質問を受ける「100% Availability Guarantee」についての説明と、それが実現できる理由も含めて紹介したいと思います。

100% Availability Guaranteeってなに?

「100% Availability Guarantee」とは、HPE社がPrimeraを利用しているお客様に100%可用性を保証するプログラムです。
このプログラムにどんなメリットがあるかご紹介します。
  • メリット① Primeraであればすべてのモデルが対象
  • Primeraには、オールフラッシュモデルのAシリーズとハイブリッドモデルのCシリーズがあり、さらにコントローラの性能毎に630/650/670までのラインナップがあります。ただし、このプログラムに関しては、最上位のモデルじゃないと適用されないといった縛りはなく、お客様の性能やキャパシティ要件に応じた最適なモデル選びに影響を与えません。

  • メリット② 追加費用「0円」で有効な保守サポートのスタート時点から適用される
  • このようなプログラムを利用する場合、ライセンス費用に上乗せされますなど、コストがかかることがありますが、「100% Availability Guarantee」の場合は、追加のライセンスなど一切なく、始まるプログラムなのでお客様の契約締結の手間やコスト負担がありません。

  • メリット③ 可用性100%が未達になるような事象が発生した場合、HPE社からクレジット提供してもらえる
  • 通常のハードウェア製品の場合、製品の保守サポートは提供しますが、障害が発生した際に、お客様に返金するような仕組みはないと思います。このプログラムは、HPE社として機器都合での可用性100%が未達となった場合、将来の購入や増設に適用可能なクレジットでお支払いするプログラムとなります。

    ※適用してもらう為には、以下のような条件を満たす必要がありますのでご確認ください。
    • 適用条件①:3年以上のプロアクティブケア以上のサポートに加入すること
    • 適用条件②:HPE InfoSightへの接続し、センサー情報提供すること
    • 適用条件③:HPE InfoSightでソフトウェアの可用性に関する通知をOSは30日以内
            パッチは10日以内に適用すること

    ※詳しい条件についても、以下のURLもご参照ください。
    https://assets.ext.hpe.com/is/content/hpedam/documents/a00074000-4999/a00074521/a00074521jpn.pdf

どうして100%可用性が実現できるのか?

前述に記載した適用条件を満たせば、100%可用性を保証されるという事ですが、本当に実現できるか?と思う方もいらっしゃると思います。そこで、Primeraがどのようにして100%可用性を実現しているのかまとめてみました。

実現できる仕組み(1)障害に強いアーキテクチャを継承

Primeraの従来機とされる3PARの強みであるクラスタ型のアーキテクチャを後継機であるPrimeraも継承しています。主な内容としては、永続ポートと永続キャッシュを備え、コントローラ障害時には、瞬時に切り替えて動作出来るアクティブ-アクティブアーキテクチャである為、数十秒単位でのダウンタイムも許さない、障害に強い仕組みとなっています。

実現できる仕組み(2) ストレージソフトウェアをユーザー領域へ実装

ユーザー領域にソフトウェアを実装すると何がいいか説明したいと思います。
従来のアーキテクチャでは、OSの根幹を担うカーネルスペースにストレージに必要なソフトウェア機能(QOS/File Persona/Replication)などが実装されることにより、不具合時にOSへの影響大きく、システム全体に与えることがありました。
 その課題を解決する為、Primeraでは、ユーザー領域にソフトウェアを導入する事で、ソフトウェア障害時のコントローラへの影響を最小限に出来るようになりました。加えて、ソフトウェア開発がOSの根幹に関わらない部分で動作しているので、開発もしやすく、不具合対応も効率的に実施出来るようになりました。

実現できる仕組み(3) AI搭載「InfoSight」との連携

PrimeraはInfoSightとの連携が可能となっており、常にどの部分でどのバージョンを適用すべきかなど、担当エンジニアが調査する内容を、即時にWEB画面で確認することが出来るようになりました。問題のあるバージョンなどの適応判断はInfoSightに任せる事ができ、すべてのモデルがコントローラ冗長されているので、OSアップデートやパッチ適用がオンラインで可能となり、システムへの影響を最小限にできます。そのことからも、適用条件③で記載があったOSアップデートやパッチ適用のハードルがあるというお客様にも安心できる仕様になっていると思います。

最後に

今回はPrimeraの特徴である「100% Availability Guarantee」について紹介しました。このプログラムの紹介記事を通じて、「Primeraが止まらないストレージ」であることを少しでも理解頂けたのではないかと思います。
改めて、紹介した条件やどのようにして100%可用性を実現しているかを正しく理解して頂き、停止が許されないシステムにPrimeraを導入する事を検討してはいかがでしょうか。
次回は、どのようなケースで適用されるのか、またクラウドサービスでよくあるキャッシュバックサービスとどう違うのかなど、投稿出来ればと思っております。このプログラム以外でも、もっと詳しいことが知りたいというとことがありましたら、是非弊社まで問い合わせ頂ければと思います。

参考URL:
詳細な内容につきましては下記サイトをご参照ください。
HPE Primeraについて(弊社サイト)
HPE 保守サポートについて(HPE社サイト)
HPE InfoSightについて(HPE社サイト)

森 圭太

森 圭太
日商エレクトロニクス株式会社
プラットフォーム本部 第二プラットフォーム部 セールスプロモーション1課
HPE製品 プリセールス担当