Cisco SD-WAN 朝日新聞社様導入事例
朝日新聞社
2019年1月25日で創刊140周年を迎えた。平均販売部数590万部(※)を超える全国紙「朝日新聞」や、会員登録数約314万人(※)の「朝日新聞デジタル」のみならず、特定のジャンルを深く掘り下げる特化型メディア「バーティカルメディア」等も順次展開。
激変する今日のメディア環境の中で、その先頭に立つ「総合メディア企業」を目指す。
【CORPORATE DATA】
会社名:株式会社 朝日新聞社
所在地:東京都中央区築地5-3-2(東京本社)
設立:1879年1月
資本金:6億5,000万円
従業員数:4,460人(男性3,595人、女性865人/2018年4月現在)
URL:https://www.asahi.com/corporate/
クラウド活用時に陥るネットワーク増強スパイラルへの
最適解「Cisco SD-WAN」
日本を代表する新聞社である朝日新聞社は近年、デジタルコンテンツ拡充に力を入れるとともに、日々の業務にクラウドサービスを積極導入した結果、インターネットトラフィックが急増。
これまで既存ネットワークの増強にコストをかけ続けてきたが、いち早くその限界を見極めた同社は、「Cisco SD-WAN」を新たに導入することによって、クラウドサービスの快適な利用とネットワークの可用性向上を同時に実現した。
インターネットへの出口に課題が
デジタルコンテンツ事業にも力を入れている株式会社朝日新聞社(以下、朝日新聞社)。全国に大小300余りの拠点を構える同社は、拠点間を結ぶ社内WANを2003年に構築し、長年にわたって運用してきました。
同社 情報技術担当補佐 鵜沼茂氏によれば近年では課題も生じていたといいます。
「インターネットへの出口は、東京と大阪の本社に集約していたのですが、近年では動画コンテンツが増えてくるとともに、クラウドサービスの利用も増えてきたため、本社に大量のインターネットトラフィックが集中していました」
それに備える上でもネットワーク構成を見直す必要があったことにより、同社情報技術本部 情報企画部 次長 諏訪部智氏は次のように述べます。
「こうした事態に対応するために、ネットワーク帯域の増強や、プロキシ機器の増設にコストをかけ続けてきましたが、その対症療法にも限界を感じていました。また、近くOffice 365を全社導入する計画から、インターネットトラフィックが一気に増えることは目に見えていましたから、あらかじめ手を打っておく必要がありました」
「Cisco SD-WAN」のブレークアウト機能で
インターネット出口を分散
これらの課題を解決するには、東阪2カ所の本社に集中しているトラフィックを、ほかの拠点からもインターネットへ出ていける構成に変える必要がありました。改善方法はいくつか考えられましたが、朝日新聞社が最終的に選んだのは、SD-WANの技術を使って各拠点から直接インターネットに抜ける方法(インターネットブレークアウト)でした。
早速同社は、主要なSD-WAN製品の比較検討を行いましたが、その中から最終的に選定したのが「Cisco SD-WAN(旧Viptela)」でした。同製品を選んだ理由について、同社 情報技術本部 情報システム部 渡辺秀夫氏は次のように説明します。
「弊社ではネットワークの冗長性についてかなり厳しい要件を掲げているのですが、専用線とインターネットの併用による可用性の向上を、弊社が求めるレベルまで実現できるのはCisco SD-WANだけでした。また、トラフィック制御の一元管理や、テンプレート管理によるセキュリティポリシーの統一化が図れる点も魅力でした」
「拠点からインターネットへ直接接続するに当たり、セキュリティ対策が重要でしたが、ここはCisco SD-WANとクラウド型プロキシサービスを連携させることで十分なセキュリティを担保できることがわかりました。全社にCisco SD-WANを展開するにあたっては、Cisco SD-WANを長く取り扱っており、国内きっての実績を持つ日商エレクトロニクスさんから製品を調達し、技術支援を仰ぐことにしました」
SD-WAN環境が
今後のクラウドサービス積極利用を後押し
「全社展開にあたっては、日商エレクトロニクスさん協力の下、スムーズに導入作業を進めることができました。技術力の高さは、プロジェクトを進めていくにつれ実感させられ、このプロジェクトは日商エレクトロニクスさんと一緒でなければ成功していなかったと確信しています」(渡辺氏)
その結果、全国約5 0 拠点に対してCisco SD-WANのエッジルーターを展開し、全社規模のSD-WAN環境を構築することができました。同社 情報技術本部 情報システム部 技師 佐藤肇氏によれば、利用者(社員)にとってもネットワーク管理者にとっても極めて使い勝手のいいネットワークが実現したといいます。
「SD-WANを導入するに当たり、ネットワーク構成や回線契約などを根本的に見直したことで、ネットワークのパフォーマンスはかなり向上したため、取材拠点に対してアンケートを実施した結果、約70%の社員が品質の向上を体感しています。一方、ネットワーク管理者の立場から見ても、Cisco SD-WANのエッジルーターの冗長性が極めて優れているため、ネットワークの耐障害性が大幅に向上しました」
今後のクラウドサービス利用増にあたっても、同社 情報技術本部 情報システム部 次長 山﨑幸子郎氏は、今後の展望について次のように述べます。
「今後、Web会議やOffice 365などの、クラウドツールを社内で活用していく上でも、十分なネットワークキャパシティーを確保できました。今後の利用状況の推移によっては、インターネットブレークアウトの対象拠点を増やすことも検討していきたいと考えています。今後もより良いネットワークの姿を追求していきたいと思っていますので、日商エレクトロニクスさんには引き続き価値の高い提案を期待します」