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オールフラッシュ第3の波到来!その引き金となる最新テクノロジーとは?

2018年3月 9日

オールフラッシュ第3の波到来!その引き金となる最新テクノロジーとは?

ストレージ市場では一般的になりつつあるオールフラッシアレイ(AFA)ですが、今度数年間で第3の波が到来すると言われています。第3の波とはどんなものなのか?HPEのエバンジェリストがその背景にあるマーケットトレンドを踏まえ、今後の市場について解説します。

高野 勝
高野 勝
日本ヒューレット・パッカード
データプラットフォーム事業統括 エバンジェリスト
国内SIerでシステムインテグレーションのエンジニアを経験後、外資系ストレージベンダーを経てHPEへ入社。現在はデータプラットフォーム事業統括部に籍を置きストレージ業界の課題や展望など自社製品にとらわれない啓蒙活動を広く行っている。Microsoft製品にも明るくMicrosoft MVPを6年連続受賞している。

はじめまして。日本ヒューレット・パッカードの高野と申します。
ITの市場では毎日のように様々な新しい技術が登場していますが、2017年はその傾向が非常によく現れた1年だったように思います。特に目にすることが多かったのがIoT, AI, AR/VR/MRなどではないでしょうか。それらを使ったアプリケーションが多数登場したり、企業内ではこれらの技術を日々の業務に活用して仕事の効率を上げていくかという議論やコラムなどが多数執筆されていました。 ただ、これらのアプリケーションを動かすためにどういったインフラが必要なのかという話をあまり見かけたことがありません。このブログではそういったアプリケーションうけとめるインフラに必要な要素について解説していこうと思います。

オールフラッシュの経済性

「オールフラッシュ第3の波」というキーワードをご存知でしょうか?オールフラッシュストレージの製品自体は数年前から市場にありますが、当初は特別な目的のみに使われていました。具体的には「処理に時間がかかるデータベース」や特定の時間に負荷が集中しやすい「VDIのOS領域」などです。
多少高額でもパフォーマンスの為に導入する領域と言っても良いでしょう。

ところが近年フラッシュの価格下落や重複排除、圧縮などの技術が熟れてきたことでアプリケーションやユーザーから直接アクセスするプライマリストレージにはハードディスクでは無くフラッシュのストレージを採用するというお客様が増えてきました。重複排除や圧縮を使うことでハードディスクとフラッシュのGB単価がほとんど変わらなくなってきている事に加えて導入済みのお客様から聞こえてくる追加の経済性にも注目が集まっています。

追加の経済性の1つ目が接地面積です。都内にデータセンターーをお持ちの方や都内のデータセンターを借りている方からよく聞かれる話が「増設したいんだけど場所が無い!」という話です。現在提供しているSASハードディスク1玉のサイズが大体1,8TBなのに比べSSDは16TBですから、単純に考えても玉数は1/8になる計算になります。(RAID等を考えるとそこまで単純には減りませんけどね)実際に42Uラック8本で運用していたシステムを2本に減らしたお客様も出てきています。

2つ目が故障率の低さです。ハードディスクと違ってSSDのドライブ内にはほとんど駆動部品がありません。このため故障率が非常に低く、導入済みのお客様からもハードディスクに比べ運用が楽になったとの話が聞かれます。

3つ目が消費電力の少なさです。SSDはハードディスクに比べ消費電力が圧倒的に少なく、導入済みのお客様事例ではハードディスクに比べ1/12になった例もあったようです。また熱もあまり出ませんので、データセンターを冷やす冷房費用も削減できるところもポイントです。

オールフラッシュ改革の第三の波 到来
オールフラッシュ改革の第三の波 到来

以上のような理由からメインストリームになりつつあるオールフラッシュアレイですが、現状はハードディスクで稼働していたアプリケーションをオールフラッシュに移行したにすぎません。

HPEでは今後オールフラッシュを前提とした、オールフラッシュでしか動かないアプリケーションが登場すると予想しています。
これがオールフラッシュ第3の波です。

オールフラッシュ第3の波とは?

オールフラッシュ第3の波の中心になるのがリアルタイム処理を必要とするアプリケーションです。現在企業内では意思決定を迅速にするために現状の状況をリアルタイムで確認できるようなアプリケーションの導入がさかんに行われています。

数年前であれば先週の売り上げデータをベースに翌週の方針を立てていたような企業が、現在では今の状況を見ながら即時判断するという状況になってきています。

また、面白い分野としてAR/VR/MRもある種リアルタイム処理のアプリケーションと言えるでしょう。

海外の事例ではメンテナンスの作業員がVRのメガネを欠けて作業を行い、作業場所をメガネを通して見るとその場所で必要な工具の指示がメガネに表示され、間違えた工具を持って作業をしようするとメガネ内に警告が表示されるといったアプリケーションが登場しているようです。こういったアプリケーションは現実世界や各種センサーとリアルタイムに近いところでシンクロしていく必要があります。

こういった処理に必要なインフラ性能とは何でしょうか?それは応答時間の短さ(ストレージの性能に合わせるとレイテンシーの低さ)です。センサーから入ってくるデータは1つ1つはそれほど大きなものではありません。この比較的小さなデータをいかに早く処理して送りかえすかというところがポイントになります。ハードディスクは本数を束ねることでシーケンシャル性能やスループットを上げることができますが、レイテンシーはドライブ単体の性能に大きく依存するためドライブの性能を上げる必要があります。またシーケンシャルではなくランダムIO処理についてはSSDは非常に得意としています。(そもそも記録媒体として円盤がありませんから)

このように性能が高くリアルタイム処理に向いているSSDですが、ちょっと性能が高すぎるという問題があります。ストレージヘッドの性能がSSDの処理速度についてこられないというのが現状です。

この点をHPEではオールフラッシュ向け製品の3PARでは2つのアプローチで解消しています。

1つはヘッド内部にASICと呼ばれる専用チップを搭載しています。3PARではRAIDや重複排除などストレージの内部処理をこのASICSで処理させることでメインCPUの処理をFCやiSCSIといったプロトコル処理に集中させることで内部処理実施中でもパフォーマンス低下を最低限にしています。

2つ目はアクティブメッシュアーキテクチャです。
前述のASICを使ってもまだSSDの性能は活かしきれません。そこで3PARではアクティブメッシュアーキテクチャという構成を取っており4ヘッドモデルでは4ヘッドが、8ヘッドモデルでは8ヘッドが並列で同一ボリュームの処理を行っています。これによりSSDの性能を活かそうという事です。
3PARの内部では各ヘッド配下にあるSSD内に細かく分けたチャンクレットという粒のデータ単位を持っており、このチャンクレットを集めてRAIDを構成しています。この技術により1つのボリュームの処理を複数のヘッドで処理することが可能です。

HPE 3PAR StoreServ
HPE 3PAR StoreServ

3PARはQoSの処理にも優れており各テナント毎にIOPSの制御ができるだけでなくレイテンシーの制御もできるようになっています。3PAR上で稼働している全てのアプリケーションの中で低いレイテンシーが必要なアプリケーションのみに優先的に性能を割り当てるということができるということですね。

このように次世代のアプリケーションの展開を予想してHPEでは市場を先取りした製品展開をしています。

次回HPEが提供する、さらなる製品展開をご紹介したいと思います。