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2016年03月01日

【10分でわかる】女性の活躍推進法って?会社はどう変わる?

みなさんの会社では、女性社員が活躍しやすい工夫をしていますか? 2016年4月から全面施行される「女性活躍推進法」により、従業員が301人以上の大企業には、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定などが義務づけられることになりました。対象となる約1万7,000社の企業は、2016年4月までに行動計画を公表する必要があります。それぞれの企業がどのような取り組みを行っていくのか、大きく注目されています。 「どこから手をつければいいのだろう?」と途方にくれる企業も、「もう十分に取り組んでいる。これ以上いったい何を?」と戸惑う企業も、この法律は自社の付加価値を高める絶好のチャンスです。 ここでは、女性活躍推進法の概要と、最初に取り組むべき4つのステップを紹介します。しっかりと対策を講じていきましょう。

女性の働きにくさが経営リスクに

推進法が目指すのは、働く場面で活躍したいと願う女性が個性と能力を十分に発揮できる社会です。みなさんの会社ではどうでしょうか。産業界全体を見ると、男女雇用機会均等法の施行から約30年がたちますが、女性の雇用状況には、まだまだ改善の余地があるのが現実です。

女性管理職の割合が高い海外では、ワークライフバランスの整備とともに、性別や勤続年数ではなく、能力や仕事の成果で評価する人事制度が主流です。

一方、日本企業の多くは依然として男性優位の風潮が強く、管理職に就く女性は全体の1割強とごくわずか。多くの女性に見られるのは、結婚、出産などのライフステージごとに離職や転職を繰り返すケースで、男性と比較すると勤続年数が短い傾向にあります。個人の能力よりも経験年数を重視する人事評価制度により、女性はキャリアを築きにくい立場に置かれています。

企業にとっても、女性が働き続けられない職場は、さまざまな経営リスクを抱えることになります。時間をかけて人材育成を図っても、出産や結婚で女性が仕事を辞めざるをえなくなれば、教育コストが無駄になるばかりか、優秀な人材流出にもつながります。さらに少子高齢化が進むいま、労働力不足の懸念は膨らむ一方。人材確保の問題は深刻さを増しています。企業の価値を高め、競争力をつけるためにも、女性が活躍しやすい環境整備に積極的に取り組んでいくことが重要なのです。

4つのステップで女性活躍推進法の対策はバッチリ!

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女性活躍推進法の対象となる企業は、以下の4つのステップで活躍推進に取り組みましょう。

STEP1 まずは現状を把握。課題を見つけよう

まずは状況整理として、自社の女性従業員の活躍に関する実態把握と課題分析に努めます。必ずチェックすべき項目は次の4点です。

  1. 採用者に占める女性比率
  2. 勤続年数の男女差
  3. 労働時間の状況(月ごとの平均残業時間数など)
  4. 管理職に占める女性比率

このほか、自社の実情をさらに詳しく知るために、男女別に採用時の競争倍率、人材育成・教育訓練の受講状況、賃金の差異などの状況を確認してみましょう。こうした項目で大きな男女差があるなら、女性が活躍しやすい職場とはいえない可能性があります。また、従業員の意識に注目するのも重要です。評価・昇進・性別役割分担などに関する意識調査も現状把握に有効です。

ここから得た結果をもとに、「女性の採用の少なさ」「第一子出産前後の女性の継続就業の困難さ」「男女を通じた長時間労働による仕事と家庭の両立の難しさ」などの課題を分析します。

STEP2 数値目標を掲げ、行動計画に落としこむ

ステップ1で行った状況把握、課題分析の結果を反映させながら行動計画を策定します。行動計画には、計画期間、「採用者に占める女性比率を50%以上とする」など具体的な数値目標、「管理職育成研修を実施する」などの取り組み内容、実施時期を盛り込みます。

義務づけられて策定する計画は、ともすると「絵に描いた餅」になりがちです。そうならないためには、とにかく具体的な計画にすること。どの部署の誰がいつまでに何をすべきか、などと、担当者の割り振りまで組み込むイメージでつくるといいでしょう。

STEP3 社内外に行動計画をアピール

行動計画ができたら、すべての従業員で共有することが実施への第一歩となります。社内掲示や、書面配布、電子メール配信など、あらゆる手段で周知を徹底し、人事部やCSR部門だけでなく、全従業員に「自分ごと」ととらえてもらう必要があります。

また、社外に対しては、行動計画を策定した旨を都道府県労働局へ届け出ることが義務づけられているほか、ウェブサイトへの掲載などを通して、取り組み内容や実施状況を積極的に発信しましょう。

STEP4 計画策定だけではNG。効果測定を忘れずに

行動計画に基づいて取り組みを実施しながら、数値目標の達成状況や、計画の実施状況を定期的に点検・評価します。しっかりとPDCAサイクルを回すことで、女性が活躍しやすい社風が定着し、優秀な人材が集まりやすくなり、企業価値を高めることにもつながります。

以上、4つのステップのうち、STEP3までは、2016年4月までに行わなければならない事項です。

女性の活躍推進が企業価値を高める

こ厚生労働省は今後、女性の活躍推進に関する取り組みの実施状況が優良な企業への認定制度を導入する方針です。認定を受けた企業は、厚生労働大臣の認定マークを商品や広告に付けることができるようになるため、女性活躍推進に熱心で、魅力的かつ働きがいのある職場であることを内外にアピールすることができます。そうやって企業価値を高めることができるうえ、優秀な人材をより多く集めるチャンスにも恵まれるでしょう。

一方で、女性の活躍推進に消極的なままの企業は、競争に勝ち残れないリスクが出てきます。数値目標や行動計画を外部に公表することが義務づけられているため、企業姿勢が一目瞭然となります。いま、策を講じなければ、やがて同業他社に大きな差をつけられてしまうかもしれません。

なお、従業員数300人以下の企業に対しては、この法が定める取り組みは「努力義務」に留まっていますが、今後、女性の活躍推進が企業価値をはかる1つの指標になることも考えられます。今のうちから戦略的に社内制度を見直せるかどうかが、今後の生き残りを左右しかねないのです。

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採用時の女性差別や産休・育休切りなど、女性の雇用のあり方は長年問題にされながらも、これまで変革が思うようには進みませんでした。今回、国全体の施策として女性活躍推進法が施行されたことで、企業の取り組みが一定の強制力を持って後押しされることになり、その効果が期待されています。

その分、優良企業とそうでない企業の差が今後よりいっそう明確に表れることでしょう。もはやのんびり構えている場合ではありません。この法律を自社の企業価値を高める好機ととらえ、女性の活躍推進に向けて今こそ舵を切りましょう。

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