エンジニアブログ 【初心者必見!】ロードバランスだけじゃない!ADCの機能

今回はADC(Application Delivery Controller)の機能についてご紹介します! ADC=複数のサーバーに処理を分散(ロードバランス)する機器というイメージがあるかと思いますが、 単純なロードバランスだけじゃない機能を3つピックアップし、お伝えいたします。

木村 詩織

入社2年目のNWエンジニア
自分自身も日々技術の勉強中。。。初心者向けの記事を中心に書いていきます!

1. SSLオフロード

皆さんがwebサイトを見るときに、下の画像のような鍵マークを目にする機会が増えてきたのではないでしょうか?

load_balance_01.png


こちらの通信は、HTTPSという通信方式を使用しています。
HTTPSとは、SSL/TLSというプロトコルを用いて、HTTP通信を暗号化する通信方式のことを指します。


暗号化することにより、クライアントとサーバー間の通信を安全にやり取りすることができます。
しかし、SSLの暗号化/複合化の処理は非常に負荷が高く、サービスの品質に影響を及ぼすことや
証明書の管理が煩雑になるなど、運用者の負担も増えてしまいます。

load_balance_02.png

上記のような懸念は、クライアントとサーバーの間にADCを置くことで解消できます!

load_balance_04.png

ADCにSSLの処理をオフロードすることで、
クライアント⇔ADC間はHTTPSの通信、ADC⇔サーバー間ではHTTPの通信となります。
これにより、SSLの重い処理や、証明書の管理をADCで担うことで、サービスの品質を保ち、運用者の負荷も低減できます!


※ここではSSLと表記していますが、現在SSLはほとんど使われておらず、SSLの脆弱性を解決したTLSが一般的に使用されています。

2. HTTP/2への対応

2015年にHTTP/2が公開され、多くのブラウザがHTTP/2に対応しています。

HTTP/2への移行を実現するためには、従来のHTTP/1.1に対応しているサービスをHTTP/2に対応させる必要があり、この対応作業は運用者にとって大きな負担となります。
その解決策として、クライアントとサーバーの間にADCを置くことで、クライアント⇔ADC間はHTTP/2の通信、ADC⇔サーバー間はHTTP/1.1の通信をすることで、サーバーの設定はそのままで、HTTP/2へと移行することが可能です。

ADC上の設定もシンプルなため、HTTP/2への移行も簡単です。

3. プロキシサーバーの負荷軽減~MS365などのSaaS~

昨今、MS365などのSaaSを利用することで、帯域やセッション数が増大し、プロキシサーバーの負荷が大きくなっています。
これに耐えるために、プロキシサーバーの増設などが考えられますが、利用するSaaSが増えることによる必要帯域や、セッション数の試算は困難な時代と考えます。

load_balance_06.png

この問題を解決するためには、ADCをプロキシサーバーの前段に置き、
MS365など特定のSaaS通信だけプロキシサーバーを通さず、直接SaaSにアクセスさせる必要があります。

これにより、プロキシサーバーは利用するSaaSのセッション数を意識する必要がなくなり、結果として追加コストの軽減ができるのです。

load_balance_07.png

4. 最後に

上記機能につきましては、日商エレクトロニクスにて取り扱いのあるCitrix ADCにて提供が可能です。
気になる機能などありましたら、お気軽にご相談いただければと思います!

5. セミナーのご案内

  • #ネットワーク・セキュリティ

エンジニアブログ

NELabに関するお問い合わせは、
こちらのフォームからご連絡ください。