日商エレクトロニクス

Innovation Leading Company

2016年03月15日

企業価値を高める働き方とは?カギを握る職場のコミュニケーション

仕事の基本はコミュニケーションです。社内コミュニケーションや情報共有の良し悪しが、会社の業績を決めると言っても過言ではありません。ところが現実には、部署や役職、世代を超えたコミュニケーションは、なかなか難しいもの。経営層も一般社員もその重要性を自覚しているものの、効果的な解決策が見出せていない組織も多いようです。企業価値を高めるコミュニケーションを活性化するには、どうすればいいのでしょうか。

コミュニケーションが良好な組織はたった半分!

全国のビジネスパーソン439名を対象にした「社内コミュニケーションの状況・課題」に関するアンケートでは、回答者の半数以上が自社のコミュニケーションに何らかの危機意識を持っていることが明らかに。つまり、社内コミュニケーションの重要性を知りながらも、円滑に行っている組織はわずか半分しかないのです。

さらに、回答者の役職を見ると、課長クラス以下の管理職や一般社員のうち、過半数が社内コミュニケーションに危機感を抱いているのに対して、経営者や役員、部長クラスの管理職の8割近くが抱いていないという結果が出ました。特に、経営層と現場寄りの社員との間の意識差が大きいことが分かります。

こうした問題を解決して情報共有を深めるため、対面や電話などの直接の対話に加えて、昨今では、電子メールや社内SNSなどのITツールが用いられるようになっているものの、まだ著しい効果は上がっていないと言えそうです。

コミュニケーションが生まれるオフィスとは?

images

社内のコミュニケーションギャップをハード面からの解決策として、オフィス環境そのものを変えるという方法があります。

社内の部門間の連携を促進するコクヨ「ライブオフィス」

代表的な事例として、ステーショナリー関連事業やファニチャー関連事業などを行うコクヨ株式会社の「ライブオフィス」があります。2014年12月にリニューアルされた品川ライブオフィスでは、マネジメント改革を行うため、「部長」が一同に会するフリーアドレス席エリア「ステアリングサークル」を設置しました。

リニューアル前のオフィスは、部長も含めた部門単位が「島」をつくるレイアウト。他部門との連携が必要となったときのみ、部長を通して依頼し合うため、部門間のコミュニケーション不足から各業務プロセスに時間がかかるという弊害が生じることもあったようです。新しく導入したステアリングサークルでは、部長のための円形ワークステーションをオフィス中央に設置。部長同士が密にコミュニケーションを取ることで、部門間の連携がスムーズになり、さまざまな課題を早急に解決できる組織改革へとつながっています。

このように、「部門ごとに座っているので、他の部門のことがよく分からない」「パーテーションで仕切られている部長の席では話しづらい」など、オフィス環境から起こるコミュニケーション不足は、物理的な変化によって解決することができます。

部門横断的なチームが組織を変える

images

別の解決策として、組織のあり方を見直す手もあります。こちらは、言わばソフト面からの解決策です。とはいえ、特に大企業では、いきなり大幅な組織変更は難しいものです。まずは部門や部署を横断するチームを立ち上げ、これまでは交流のなかった社員同士のコミュニケーションを活性化させて、社内の風通しを良くしていくのが理想的です。

経営層との直接対話と部署横断型活動を実現したパナソニック「One Panasonic」

大企業の事例としては、大手エレクトロニクス・メーカーのパナソニック株式会社の若手有志社員による「One Panasonic」という交流会があります。2006年に実施された内定者懇親会をきっかけに始まりましたが、現在では、部署や役職、世代を超えて交流を図り、社員の知見や人脈を拡大することを目的として運営されています。

主な活動は、四半期に1度開かれる「全体交流会」やテーマ別の「分科会」。前者は社長をはじめとする経営層や社外の著名人と自由な意見交換ができる場、後者は部門を横断して商品開発や作業改善について議論する場として機能しています。若手から中堅、ベテラン社員まで、これまでの総参加者は約1,700名にも上り、モチベーションアップにもつながっているそうです。

ユニークな制度で社内コミュニケーションを促進するコンビーズ

大企業だけでなく、中小企業でもこうした動きが生まれています。デジタルマーケティングを手がける株式会社コンビーズでは、2週間に1回、業務中の1時間を使って「井戸端会議」が行われています。社長を含めて無作為に選ばれた4~5名の社員が、社内体制の改善や新ビジネスの提案などのテーマで自由に議論するもの。議事録は全社員に向けて発信されています。

一方、毎月1回、開催される「ランチDEデート」は、社員4名1組が昼食をともにして親睦を図る制度です。食事代は会社から支給されますが、仕事の話をしなくてもいいというのがポイント。ちょっとした会話を通じて社員同士の心理的な距離を縮めようというのが狙いです。

このように、組織の規模によって最適な方法論は異なりますが、部門横断的な場づくりが社内コミュニケーションを活性化させ、モチベーションアップや強いチームワークにつながっていることは明らかです。

崩壊の危機にある「飲みニケーション」、次の一手は?

images

かつては、就業時間内の「公式」な場でのコミュニケーション不足は、上司が部下を誘って飲みに行くような「飲みにケーション」が補っていました。ところが、昨今、特に若い層は、飲酒を楽しまない傾向にあり、就業後まで上司とつきあいたがらなくなっているようです。ビジネスパーソンを対象にしたある意識調査によると、仕事帰りに上司とお酒を飲みに行きたいと思うかの問いに対して、4人に3人は「行きたくない」と思っていることが判明しました。

会社の行事として「飲み会」を行う機会を

非公式な場でのコミュニケーションを復活させるには、あえて会社の行事として「社内飲み会」を開催するという方法があります。例えば、株式会社日立ソリューションズでは、普段は直接話さない部長と一般社員といった組み合わせの社員同士が参加する「段々飛び懇親会」が、2007年から行われています。社内にある懇親会や接待のための宴会場が利用されていますが、1人3,000円の懇親会費用は会社が負担。お酒が入った席で気軽に言葉を交わすことで情報共有が促進され、仕事の生産性が向上する効果も。社員の満足度は高く、毎年、続けられています。

朝食会やランチ会、おやつも効果的

気軽な交流の場が必要だと分かっていても、夜の飲み会は時間的にも費用的にも、若い社員や女性社員はなかなか参加しにくいもの。そのため、朝食会やランチ会を開いている会社もあります。資源・エネルギー関連事業などを手がける株式会社IHIは、会社から任命を受けた若手女性管理職約10名がリーダーとなり、各事業所の総務部が支援する形で、20~30代の女性社員たちとのランチ会を開催。先輩が若手社員の相談相手をつとめることで、業務やキャリアに関する悩みや課題を解決する方法を取っています。

さらに、もっと気軽な「おやつ」をコミュニケーションツールとして利用する取り組みもあります。職場に全国の名菓を毎月届ける「おやつclub」というサービスが人気を博しているのだとか。運営する株式会社ESSPRIDEが2015年に行った調査でも、経営層と一般社員の双方が、お菓子についてちょっとした会話が生まれることや、お礼や激励、労いの気持ちが伝わることを理由に、勤務時間中にお菓子をあげる(もらう)ことを好意的に受け止めているという結果が出ています。

「飲みにケーション」の代わりに、時代に合わせたさまざまな方法が生まれています。職場の状況に合わせて試してみるのも一案です。

ハード・ソフト両面からの取り組みを

これからの時代は、企業が価値を高めるためには、コミュニケーションの活性化は欠かせません。ハード・ソフト両面からの取り組みに加え、従来型の非公式な「飲みニケーション」の見直しなど、さまざまな対策が求められています。

Focus Area