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さくらインターネット株式会社様

Brocade MLXeシリーズ導入事例

企業名:さくらインターネット株式会社様

データセンター事業者「さくらインターネット株式会社(以下、さくらインターネット)」では、ブロケード コミュニケーションズ システムズ株式会社(以下、ブロケード)のルーター「Brocade MLXeシリーズ(以下、MLXeシリーズ・ルーター)」を活用して、
インターネットエクスチェンジ(以下、IX)との対外接続に加え、北海道石狩市で運営するデータセンターと東京のネットワークオペレーションセンター(以下、大手町NOC)間を100GbEの専用線で接続。その構築を日商エレクトロニクスが全面的にサポートした。100GbEネットワーク構築の経緯と狙いについてお話を伺った。

ユーザープロフィール

企業名:さくらインターネット株式会社
http://www.sakura.ad.jp/
設立:1999年8月17日(サービス開始:1996年12月23日)
所在地:大阪市中央区南本町1丁目8番14号
事業概要:インターネットへの接続サービスの提供、インターネットでのサーバーの設置およびその管理業務、インターネットを利用した各種情報提供サービス業務、電気通信事業法に基づく電気通信事業、マルチメディアの企画ならびに製作・販売、インターネットに関するコンサルティング、 コンピュータソフトウエアの企画・開発およびその販売、コンピューターおよびその周辺機器の製作および販売・保守、不動産の賃貸および管理

さくらインターネット株式会社
運用部 ネットワーク運用チーム リーダー 村上 健二 氏(左)
運用部 ネットワーク運用チーム 濱崎 武洋 氏(右)

コロケーションサービスとホスティングサービスを軸に事業を展開するさくらインターネット

吹き出しさくらインターネットについてご紹介ください。

さくらインターネットは、1996年の創業以来、インターネットによってひらかれる創造性と驚きに満ちた未来の実現に貢献することをミッションとして、事業に取り組んできました。2015年11月27日には、お客様およびお取引先の皆様の日頃のご支援により、東京証券取引所市場第一部へと市場変更を果たすことができました。

当社が提供するデータセンターサービスは、お客様のサーバーをデータセンター内にお預かりし、お客様に代わってデータセンター事業者が維持・管理する「コロケーションサービス」と、サーバーなどの通信機器類を自由に設置していただけるラックスペースと通信回線、電源などを貸与する「ホスティングサービス」の2つのサービスを軸に事業を展開しています。

石狩-東京間を100GbEで接続するバックボーンネットワークを構築

吹き出しMLXeシリーズ・ルーターによって構築した石狩-東京間のバックボーンネットワークについて教えてください。

今回、北海道石狩市で運用している「石狩データセンター」と、東京都千代田区で運用している「大手町NOC」間を100GbEの専用線で接続するフルルート環境のバックボーンネットワークを構築しました。

そのルーターとして採用したのがMLXeシリーズ・ルーターです。今回のネットワークの構築に関しては、新規にルーターを導入するのではなく、導入済みのルーターにポート収容効率の高い「100GbE CFP2モジュール」を追加して利用しています。

さくらインターネットでは、これまでもデータセンター専業事業者として国内最大級のバックボーンネットワークを運用してきましたが、今回、「石狩データセンター」と「大手町NOC」間を増強したことで、1,000km以上離れている「石狩データセンター」においても、これまで以上に高い可用性と圧倒的なトラフィック配信能力を実現しました。

吹き出しさくらインターネットにおけるバックボーンネットワークの構築は、初めての試みになりますか。

内部ネットワークでの100GbEの採用は初めての試みとなりますが、2015年7月時点ですでに一部のIXとの対外接続には、100GbEのフルルート接続を実現しており、今回のバックボーンネットワークと同様、MLXeシリーズ・ルーターに「100GbE CFP2モジュール」を追加したルーターで実現しています。

将来的には大手町から他の都内データセンターまでの接続にも、100GbE専用線による環境を導入していく予定となっています。

ネットワークの増強と運用の効率化を目指し、100GbEネットワークへと先行投資

吹き出しまだ国内においては導入実績の少ない100GbEの接続環境の導入を、積極的に取り組んでいる背景について教えてください。

現状、バックボーンネットワークやIXとの接続に関して、帯域が不足するような事態は発生しているわけではありません。
その一方、日々増加するトラフィックに対応するため、ネットワーク基盤の強化はデータセンター事業者にとって終わりのないテーマでもあり、「導入環境の変化」、「運用負荷の軽減」、そして「先行投資としての価値」という背景や狙いを見据えて、100GbE化へと前向きに取り組んでいます。
また、長期間データセンターを運営していく上で、ネットワーク機器の入れ替えは極力避けたいところです。最新かつ拡張性 の高い機器を採用すれば、長期間、安定したネットワーク環境を運用でき、投資効果も高いと判断しました。

吹き出し【導入背景1】導入環境の変化

従来、石狩-東京間のような1,000Kmを超える中距離の100GbEを導入しようとすると、高価なルーターやモジュールが何台も必要で、ポート密度も高くありませんでした。そのため、10GbEを束ねるのに比べて何倍ものコストがかかりましたが、ブロケードの「100GbE CFP2モジュール」のように、これまでよりもポート密度の高い製品が使えるようになったこと、さらには、徐々に100GbE接続が国内でも浸透し始め、100GbEの専用線が以前と比べて利用しやすくなったことで、導入のハードルが下がりました。

吹き出し【導入背景2】運用管理負荷の軽減

同じ100GbEの帯域を確保するにしても、10GbEを束ねて運用するのと100GbEをシングルで運用するのでは、設計の複雑さや監視・保守運用にかかる負荷は異なります。また、突発的なトラフィック増加への対応力や可用性も高まり、ネットワークの耐応年数も長くなります。
100GbEの導入は単なる大容量化ではなく、運用負荷を軽減して効率的にネットワークを運用していくための施策であるとも言えます。

吹き出し【導入背景3】先行投資としての価値

新たにネットワークを増強するとなると設計や構築に最低でも半年以上かかります。差し迫るような状況が発生してから対応策を検討するようでは、手遅れになりかねません。
お客様に、データセンターまでの距離やロケーションを気に掛けることなく、リーズナブルで、快適に、安心して各データセンターサービスをご利用いただくためには、常に先行してインフラ環境を整備・増強していく必要があります。
また、100GbEバックボーンネットワークに限らず、先進的な技術を積極的に取り入れてサービスの機能や品質を高めていくことが当社の強みであり、他社よりも先に取り組み、実現することが競争力の源泉や社風ともなっています。

「10GbEを束ねて運用するよりも100GbEを導入する方が効率的にネットワークを
設計・運用できます。」
さくらインターネット
株式会社
村上 健二 氏

ベンダーやメーカーの技術支援体制が選定のカギに

吹き出しMLXeシリーズ・ルーターで100GbE化を実現した理由を教えてください。

経験やノウハウが少ない分野への取り組みなので、製品自体の「機能・実績」だけでなく、メーカーであるブロケードやベンダーである日商エレクトロニクスの「技術支援」も検討した上で、MLXeシリーズ・ルーターによる100GbE化を実現しました。

吹き出し【採用理由1】製品の機能

MLXeシリーズ・ルーターはCFP2オプティックに対応しており、標準的な規格でフルルート環境による100GbEネットワークを構築できます。また、ポート密度が高いので、ルーターの発熱量や設置スペースも抑えられると考えました。

吹き出し【採用理由2】製品の採用実績

当社のバックボーンネットワークは200台におよぶブロケード製品を中心に構成されており、オペレーションに慣れており、製品に対する信頼性と実績が高いという点もMLXeシリーズ・ルーターによる100GbE化を実現した理由でした。

吹き出し【採用理由3】既存資産の有効活用

「100GbE CFP2モジュール」自体のポート密度に加えて、既存のルーターにモジュールを追加する形で100GbEネットワークを構築できるので、既存資産の有効活用が可能であり、新規にルーターを導入するのに比べて初期導入コストや設置スペースを大幅に抑えることができることも選定のポイントになりました。

吹き出し【採用理由4】日商エレクトロニクスやブロケードの技術支援

設計や構築に関する技術支援だけでなく、日商エレクトロニクスのNETFrontier Center(ネットフロンティアセンター)のラボにおいて検証環境を提供してもらえること。さらには、ブロケードを含め経験豊富なエンジニアに技術検証作業を支援してもらえることも、MLXeシリーズ・ルーターによる100GbE化を実現するポイントとなりました。

100GbEによる本当の恩恵を実感できるのはこれから

吹き出し100GbEによるバックボーンネットワークを構築したことによって、どのような成果が上がっていますか。

100GbEを採用したバックボーンネットワークは順調に稼働しており、現段階では、それが何よりの成果だと言えますが、これまで帯域が不足していたり、バックボーンネットワークが不安定になったりしているわけではないので、100GbEの本当の恩恵を実感できるのはこれからだと思います。
今回のネットワーク増強によって、帯域不足や突発的なトラフィック増加による運用負荷の増大といった現象に悩まされる状況は大幅に改善できていくと捉えています。たとえば10GbEを主流にしている場合、帯域増強に何本も専用線を手配しなければならず、その分、調整や負荷が大きくなります。
また、複数の10GbE回線を利用することによる負荷分散設計、中継経路や冗長設計検討など、大変な作業も発生します。さらに、複数回線を利用することで、障害箇所の増加につながることもあります。
その点、100GbEの採用は、パフォーマンス向上につながるだけでなく、構成もシンプルになるため、長期的なオペレーションコスト低減にもつながっていくと考えています。
また、100GbEによるバックボーンネットワークを構築したことは業界内でも注目されているようで、宣伝効果とまではいきませんが、当社の先進性や技術力のアピールにも一役買っているはずだと捉えています。

吹き出し導入・構築時に苦労したことなどがあれば教えてください。

国内はもとより欧米における商用ベースの参考事例なども少なかったので、接続に関する技術的な問題もさることながら、あらゆる点でリスクを確認・排除しなければなりませんでした。
例えば、既存のルーターにモジュールを追加してラックの電源容量(アンペア)は足りるのか。熱量は大丈夫なのか。それに伴うラック形状の変更は必要ないのかなど、一つ一つリスクを想定して確認・排除していく必要がありました。
また、今回、初めてLR4の光ファイバーケーブルを使用するので、4波に対応した計測器の手配などルーター以外の部分でも、さまざまな確認・準備作業が必要でした。

「今後、100GbEを導入した恩恵を長期的に享受できると捉えています。」
さくらインターネット
株式会社
濱崎 武洋 氏

日商エレクトロニクスへの評価と期待

吹き出し日商エレクトロニクスへの評価と期待をお聞かせください。

新たな設計をネットワークに加えたり、機能を拡張したりする場合、やはり実稼働している既存のルーターで検証作業を行うわけにもいきません。また、当社内に検証環境を設けるのも難しく、今回、日商エレクトロニクスのNETFrontier Centerに疑似検証環境を用意してもらえたことで、スムーズに検証ができました。
NETFrontier Centerは、当社では用意できない計測器など、検証環境も充実しており、また、日商エレクトロニクスのエンジニアが検証作業も誤解なく対応してもらえるので、設計や運用計画に安心して集中でき、スムーズに本番環境の構築を進めることができました。
これまでも、日商エレクトロニクスのエンジニアにはさまざまな場面で助けてもらってきましたが、今回、あらためて高度かつ幅広い技術力と対応力に感心させられました。
時にはお互い苦労する場面もありますが、良い意味で戦友だと思っています。
日商エレクトロニクスは、欠かすことのできないネットワーク構築のパートナーです。今後も、高いレベルのサポートに期待しています。

*記載の担当部署は、2015年12月の組織名です。

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