2022/1/14

ハイブリッドクラウドのメリットや課題とは?


企業において、クラウドサービスの利用が一般的になりました。しかし、従来のオンプレ環境すべてをパブリッククラウドサービスに置き換えることは難しいでしょう。
そういった課題をお持ちのご担当者様におすすめしたいものが「ハイブリッドクラウド」です。
本コラムでは、ハイブリッドクラウドの概要とそのメリット・課題について解説します。

こんな人にオススメ!

■CXO(CEO,CTO,CIO)
■情報システム部門役職者
■パブリッククラウドでの運用に課題を感じている方

1.ハイブリッドクラウドとは?

ハイブリッドクラウドとはオンプレミス・プライベートクラウドとパブリッククラウドを組み合わせて利用するクラウドの利用形態です。
オンプレミスとパブリッククラウドにはそれぞれ異なるメリットとデメリットが存在しておりますが、ハイブリッドクラウドではそれらのメリットを活かし、デメリットを抑えることを目的としております。
例えば、オンプレミスで余剰リソースを保有するのはコスト的にはデメリットが大きいですが、余剰リソースをクラウドで補うことが出来れば、コストダウンが可能になります。
このように、それぞれの強みを活かすことでより効果的なクラウド活用を実現する形態がハイブリッドクラウドとなります。

2.パブリッククラウドを併用する理由

パブリッククラウドとは不特定多数のユーザ向けにクラウドコンピューティング環境を提供するサービスです。
パブリッククラウドを利用することで、利用者はサーバや回線などの機器、設備を用意する必要がなくなり、インターネット環境さえあれば、必要なときに必要なだけITリソースを利用することができます。

パブリッククラウドのメリット

パブリッククラウドは自社で物理環境を用意する必要が無いため、物理環境に依存する様々な制約から開放されます。

  • 初期費用が必要ない
  • 物理リソースの運用コストがない
  • 必要なときに必要な分だけリソースを使用できる
  • 拡張性が高い

パブリッククラウドのデメリット

パブリッククラウドはクラウド事業者が提供するサービスのため、自分たちで柔軟な対応をすることが出来ません。

  • 障害発生時の対処がクラウド事業者依存になる
  • 柔軟なカスタマイズが出来ない
  • 既存システムやサービスとの連携ができない場合がある。
  • 完全な閉域網と比べるとセキュリティが劣る

3.オンプレ・プライベートクラウドを併用する理由

プライベートクラウドとは企業や組織が自社で構築管理し、社内やグループ会社に提供するクラウドです。
パブリッククラウドが不特定多数に利用されるのに対し、プライベートクラウドは限られた範囲内で利用されるものとなります。

オンプレ・プライベートクラウドのメリット

プライベートクラウドは企業のセキュリティポリシーが適用されているため、クラウドの懸念点として挙がるセキュリティを担保することが可能となります。

  • 企業のセキュリティポリシーを実現できる
  • 必要な要件にあったシステム構成で構築が出来る

オンプレ・プライベートクラウドのデメリット

パブリッククラウドと違いプライベートクラウドは企業で管理する必要があるため、構築運用コストなどが発生します。

  • コストが高い
  • リソースの調達や管理が必要
  • セキュリティを自社で管理する必要がある

4.ハイブリッドクラウドのメリット

上記のようにパブリッククラウドやオンプレ・プライベートクラウドにはそれぞれのメリットやデメリットがありますが、ハイブリッドクラウドであれば、それぞれのいいところどりをしていくことが出来ます。

低コストに冗長化を実現

ディザスタリカバリなどを計画する場合、冗長先のリソースも確保し続ける必要が発生します。
しかしハイブリッドクラウドでは、オンプレ側をアクティブとさせておき、パブリッククラウド側にバックアップとしてスタンバイ状態のシステムを用意しておくことで、
非常に安価に冗長構成を作ることが可能となります。

高い拡張性

急激なリソースの増減にも耐えられる構成にしたい場合も冗長化と同様に、余剰分をパブリッククラウドで展開したり、パブリッククラウド側のスケーリング機能を活用することで、急激な負荷や需要の増加にも耐えうるシステムを構築することが可能となります。

高いセキュリティ

パブリッククラウドに置くことが難しいデータなどがある場合も、ハイブリッドクラウドならばオンプレ・プライベートクラウドを利用することで、必要なセキュリティを担保することが可能になります。

柔軟なカスタマイズ性

一部のシステムで、ハードウェア側の要件などが細かくある場合、パブリッククラウドではそれを満たすことが難しい場合があります。
そういった場合も、要件の厳しいシステムはオンプレ側に、それ以外をパブリッククラウド側において連携をさせることで、運用負荷を下げつつシステム要件を満たすことが出来ます。

5.ハイブリッドクラウドの課題

複数のインフラを活用することでそれぞれのメリットを得ることが出来るハイブリッドクラウドですが、その分システムの構成や運用が複雑となってしまうなどの課題が存在します。

それぞれの環境の知識が必要

併用するクラウドとオンプレはそれぞれ管理方法や操作方法が異なります。
そのためそれぞれの環境に対する知識を持つ人材が必要となります。
従来オンプレをメインで利用していた会社様であれば、オンプレの知識は十分にあるかと思いますので、
少しづつパブリッククラウドの知識をつけつつ、移行をしていくというのが手法の一つとして挙げられます。

管理対象が多く煩雑

組み合わせるクラウドが増えれば増えるほど、全体を把握・管理することが難しくなってきます。
多くの環境に通じるエンジニアがいれば把握も可能かもしれませんが、属人化に繋がる恐れもあります。
そのため、ハイブリッドクラウドの環境を活かすためには、それぞれの環境を統合できるような基盤を用意することが重要です。

まとめ

ハイブリッドクラウドは複数のクラウドやオンプレを組み合わせることで、環境に最適な構成を作り上げることが出来ます。
一方でそれぞれのインフラの構成管理運用は複雑になってきます。
ハイブリッドクラウドを導入する際には、それぞれの環境を管理できるエンジニアやサービス基盤を用意することが重要となります。
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